はじめに
寧々さんとららぽーと福岡のプレミアムシアターにて鑑賞してきました。深夜回にもかかわらずプレミアムシートの空きがなくて通常料金で鑑賞しましたが、IMAXかと思うくらいに大きな箱で見応えがあってよかったです。
新海監督は『君の名は。』『天気の子』が大ヒットして東宝のヒットスターとなっているだけに、次の作品もプレッシャーが凄いことになるだろうなと思ってたんですが、今回もしっかりと面白くて一安心です。
大衆向けに丸くなるかと思わせといて、全然そんなことはないあたり気概を感じました。商業性と作品性をうまいバランスで仕上げてきて凄いですね。
以下はネタバレを踏まえて感想などを書いていきます。できれば事前情報なしで見たほうがいいと思うので、鑑賞後の閲覧を推奨します。
緊張感と楽しさと
今回も絵が異様にキレイです。キレイなんですが、監督の過去作を観たときほどには画面の美麗さに酔いしれるとまではいきませんでした。
本作で初めて新海監督の画風に触れる人は驚愕するんじゃないかと思いますが、これだけ綺麗な絵を見ても満足できなくなってしまった、自分の慣れが恐ろしい……人はどこまでも贅沢になれるというのか。
戸締まりをする時の緊迫感あふれる状況は、回を重ねるごとにシチュエーションが変わって、見せ方が多彩でワクワクさせられました。そういった場面とは真逆に、ロードムービーっぽい感じに様々な土地で色々な人と出会う様が面白おかしく、そして暖かく描かれていました。尺の都合でそこまで長時間の描写とはいかないのに、それでもみな印象に残る良さがそれぞれあったかと思います。
神木さんが声優つとめたキャラ芹澤朋也、個人的には『ジャンケットバンク』の獅子神っぽさを感じました。
すずめの戸締りは新開監督と神木隆之介さんによる芹澤朋也という爆弾が降りましたねラクガキ。 pic.twitter.com/mseC4XIhAP
— ムネヤマヨシミ (@muneyamayoshimi) November 11, 2022
巻き込まれ系というか世話焼き系というか、あの状況で『けんかをやめて』って選曲したりするあたり、空気読めてるようで読めてないし、あの状況を「闇深ぇ~」で済ませちゃう辺り、いいキャラしてますね。
旅の終わりに
新海監督の作品は結構昔から追いかけてきていたので、そろそろバッドエンドやビターエンドが来てもおかしくないと身構えてつもりなんですが、予想外のところからデッドボールしてしまいました。
公式からは下記のような告知が出ていたようですが、予告編どころか事前情報を全く知らずに鑑賞したからか、あそこまで震災をストレートに扱う作品と途中まで全く意識せず、娯楽作の一環として楽しんでいました。
映画『#すずめの戸締まり』
ご鑑賞予定の皆様へ pic.twitter.com/KVfAk6s2aw— 映画『すずめの戸締まり』公式 (@suzume_tojimari) October 22, 2022
そして旅の終着地。地名を見てん?と思い、「綺麗、ここが?」というやり取り、南に引っ越したという叔母の言葉、といった要素からまさかまさかと思ったところで想像以上に強烈な描写が待ち受けていて、心を揺さぶられました。
真っ黒な日記帳の日付の演出は近年稀に見る残酷さで、グロテスクなゴア表現などを使わなくても、ここまでショッキングな想いをさせられるのかと二重の意味で衝撃的です。
こういう題材を扱うのに、少なからず葛藤もあったと思います。絶対に反感を買う可能性があるのは監督も重々分かっていたと思います。その覚悟で敢えて攻めの姿勢を隠そうともせず振り下ろされた刀は、自分の心を真っ二つに両断しました。
自分の場合、震災が発覚した瞬間は仕事で宮崎県(偶然ですが、本作での旅の始まりの地ですね)のとある場所にいて、一般的なニュースよりも早く、異様な緊急度をもって惨状を知ることになりました。身の回りでは直接的に被害は受けなかったものの、あの時の初報が強烈すぎて、一生忘れられないものがあります。ましてや実際に被害にあった人は、心穏やかではないでしょう。
『秒速5センチメートル』のころは地味で苦味のある作風で、単館上映のミニシアターとかで鑑賞していたのに、今ではシネコンで上映されてすっかり一般向けになった……と思わせておいて、こういう作家性という名の強烈な牙を隠し持っている辺り、ほんと芯のある作品だと思います。
知人の感想が心に残りましたので紹介します。
エンタメ寄りなら軽く観ようと思っていたら伝えたいことがストレートでしたね。今年にみられて良かったです。今回はエンタメ寄りの過去2作と違って観るのが何年か前もしくは後だったら大分感想が変わってたかもと思いましたよ。
作中の震災の表現は中々攻めてましたね。ニュース等で追体験してる人が殆どだけど、今後もう何年かすると震災を知らない世代がでてきたら多分この映画の感想は変わるのかもと思いました。
すずめのように震災当時は幼い子が今では中高生になっていてもおかしくないし、震災の時代を経験した10代の心に響く話はこれが最後になるのかもなと。時間の流れの早さを実感しました。エンタメに逃げて有耶無耶にせずに向き合ったことが今作の良いところですね。
何かを見出す人々
普通の人だったら感想はまぁこんな感じに収まると思うのですが、オタクな人々は様々なものを見つけてしまうようです。
すずめの戸締まりはオタクのリトマス試験紙やでぇ!
性癖を3割に抑え込んだ分、濃度は3倍になってる気がするんですよねw https://t.co/e6PRBHtmCR
— 天使の梯子 (@echelledange) November 11, 2022
『すずめの戸締り』に出てくる芹澤朋也と宗像草太の中の人である 神木隆之介と松村北斗には スイートルームに宿泊して恋人岬で鐘を鳴らしためちゃかわエピソードあるので すずめの戸締りをみた皆様はぜひ「神木隆之介 松村北斗 スイート」で検索してください
にしても芹澤朋也ド性癖すぎんか〜〜!! pic.twitter.com/b1X7Me8rG6
— プリンセスゴリラ (@_princessGORIRA) November 11, 2022
二十年ほど映画館には行ってなかったんだが性癖にドド刺さる男が出てくると見てすずめの戸締まりみてきた
あーまじ好きなにあの芹澤って男あんなの絶対好きになるまじで可愛かった
でも絶対皆も好きだろうしとかこんな大きな釣り針にかかるなんてプライドがとかおもったけどだめだったまじ好みすぎた— 室元気 (@muro5genki) November 15, 2022
すずめの戸締りに関するアドバイスですが、見に行く前は「芹澤朋也」をミュートし、見たあとで「芹澤朋也」でツイート検索するのです。
— あれっくす (@NStyles) November 12, 2022
・すずめの戸締まりのいいところ
おねショタある・すずめの戸締まりのダメなところ
芹沢朋也と言う空気めちゃ読め陽キャドスケベ大学生のせいで本編が全く入ってこない— 難民 (@7th_Heaven_24) November 11, 2022
ずずめの戸締まりですが、性悪クソビッチと思いきやオタクに優しい系ギャルの男性版丸メガネ喫煙系大学生と40代独身美魔女のおねショタを差し込んできたのでギリ合格です
— 難民 (@7th_Heaven_24) November 11, 2022
すずめの戸締まり、元々女性同士の伝奇モノをやろうとしたらストップが掛かったので、その分 本気(マジ) で成人男性に性欲を向けた結果完成した映画なので予告に全く出て来なかったドスケベ丸眼鏡イヤリング柄シャツ喫煙ドスケベ口悪性根優良ドスケベドスケベ男性が出てくる
— ありめP@ハピハピデイズ (@arimewasshoi) November 11, 2022
※ネタバレ注意※
すずめの戸締まり、芹澤朋也ってヤバい奴めっちゃ良い奴昨日見てきた pic.twitter.com/XnMpfAsoeM— 扇風機卍 (@oishi_gohan11_2) November 13, 2022
自分のすずめの戸締まりドスケベ丸眼鏡イヤリング柄シャツ喫煙ドスケベ口悪性根優良ドスケベドスケベ男性のツイートに「新海誠、マタギ出したのか……?」って引用が来てるんですが、出るワケが無いだろ
— ありめP@ハピハピデイズ (@arimewasshoi) November 11, 2022
新海誠監督の神木隆之介への欲望一覧
君の名は。「思春期の女子の演技をする神木隆之介をいっぱい見たい!」
天気の子「レジェンド枠としてすっかり落ち着き若者を導く神木隆之介が見たい!」
すずめの戸締り「神木隆之介くん、”芹澤朋也”(すごいおとこ)を用意したよ。演って、くれるね?」— 六代目 (@6daime) November 12, 2022
自分の性癖以外にも色んな性癖があることを学んだ新海誠。
— あれっくす (@NStyles) November 11, 2022
ぼくはすずめの戸締まりを2回鑑賞して、芹澤朋也を感じました。
— あれっくす (@NStyles) November 14, 2022
すずめの戸締まり未視聴なんですけど、流れてくるのが「災害描写注意」と「新海誠の性癖が詰め込まれた成人男性の登場」と「特典で新海誠の同人誌が手に入る」なんですけど、映画の感想は「よかったよ」な感じで作品自体がどんなものなのか全容が何もわからない。
— 奏多 (@kanata2439) November 11, 2022
そんな見方があったか……と他人事みたいに言ってる自分も、そういえばゼノブレイド2の時は「性癖のデパートやでぇ!」と興奮してたのを思い出しました。なんだかオタクが「いえ、自分より知識のある方は沢山いるから、自分はオタクじゃないっス」って言ってるような気分。
業深ぇ……(CV芹澤朋也)
印象に残った色々な方のツイート
多くのツワモノが同じことを語っておられるので安心して言いますが『すずめの戸締まり』二度目に観た時には「全く別の映画」に化けてしまいます。初見の際には無駄だなと思っていた台詞が必然と受け止められ、チマいロードムービーに見えた話が数倍にスケールアップする。いやはや。#すずめの戸締まり pic.twitter.com/ZhtPJ2wOrt
— おぜ修一@ 第四惑星 C100「ウル星セブン」ありがとうございました! (@RVGeMCpPeb7jRHS) November 14, 2022
すずめの戸締まり、ネタバレのない感想。
地位と資金を得てやりたいことができるようになったのが、前2作。
それを封印して、金がないときに細々と作ってた作風を、恵まれたスタッフと共にしっかり練り上げた、贅肉のないのが今作。
雑味がなく旨味が凝縮されてて、とても新海誠らしいと感じた。
— 弓路 (@yumiji3156) November 15, 2022
というか『君の名は』と『すずめの戸締まり』の間に挟まる『天気の子』の外れっぷりを改めて実感できたというか俺はむしろその誤った方向に全力で突き進む歪さをこそ愛していたのだと再確認できたよ…
— ピエ郎🤡Vtuber (@PielowVT) November 17, 2022
すずめの戸締まり、個人的にもうひとつ好きなタイプの解釈があって、あのフィクション世界の扉の向こうを「我々の現実」に置き換えると、現実におけるさまざまな出来事がフィクション世界に影響し作中に漏れ出していく、それを押しとどめて作品を作品として完結させる、みたいな話にも読める気がする
— てらまっと📚文フリ東京U11-12 (@teramat) November 15, 2022
「お返し申す」#すずめの戸締まり pic.twitter.com/QY3hY53SoU
— jom (@junbaraya) November 14, 2022
ワイが沖縄某所でみつけたうしろ戸 pic.twitter.com/C16SftXIbV
— 西E田 (@nisiedas) November 12, 2022
原画で少しだけお手伝いさせていただいております。
1cut毎に学びがあって大変勉強になりました!ダイジン吸いたい…#すずめの戸締まり#ダイジンといっしょ pic.twitter.com/J3ulGYmVIe
— U (@U_yuc0000) November 11, 2022
芹澤朋也くんのファンアートです#すずめの戸締まり pic.twitter.com/XjsxwxzzTG
— NU@お仕事募集中 (@dndnknkn) November 14, 2022
おい!!!!!!!!!!!!
芹澤朋也!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!好きだ!!!!! pic.twitter.com/CeeTJDawKg— ふじからま*fuji karama (@o_tz4) November 12, 2022
芹澤朋也くんに、草太さんとドライブしながら説教打ったり小言言って欲しいファンアートです#すずめの戸締まり pic.twitter.com/YYkAQFOWyA
— NU@お仕事募集中 (@dndnknkn) November 12, 2022
草鈴に巻き込まれる芹澤の幻覚 pic.twitter.com/8DUlKLrRFX
— すのはら風香❤️🔥新刊(二次) (@fuuka1868) November 14, 2022
すずめの戸締まり、全てに配慮した末に出てくる感想が「スッゲ〜BL二次創作が流行りそう」になるの、バグが過ぎる
— ありめP@ハピハピデイズ (@arimewasshoi) November 11, 2022
映画「すずめの戸締り」、宜しければ是非。 pic.twitter.com/AIb1gZYPEM
— 堀 剛史 Takafumi Hori (@porigoshi) November 11, 2022
草太さんのファンアート#すずめの戸締まり pic.twitter.com/CgCoKRfWIm
— ももにくす (@momonicus) November 14, 2022
すずめの戸締まり、観る前はグッズはいっか~ってなってただろう平日に見に来れるタイプの大人たち( )がシアターから出てきて続々と「ダイジン……」「ダイジン」「椅子…………」って呟きながらグッズに群がってたのちょっと面白かった
— 狗守@原稿 (@kugami9670) November 11, 2022
「すずめの戸締り」、細かい感想は現行未通過(?)の人に配慮してふせったで言うんですが、とりあえず中身に触れない範囲で感想を言うなら
「『竜とそばかすの姫』にキレた新海誠が作った」という都市伝説が生まれても疑問には思わないだろうなコレ」です— 鈴夜リノ (@renoin_sion) November 11, 2022
すずめの戸締まりでボロ泣きした後に献血に行ったら「脈が早すぎるんでダメっすね……」と差し戻された 謎の気恥ずかしさがある
— さめ (@SAMEX_1u2y) November 12, 2022
ツイッタラー「地震だ(ツイート)」
海外「でかいでかいでかいでk」
陰謀論者「人工地震!」
恐らく最近すずめの戸締まりを見た人「要石が抜けた!要石が抜けた!ミミズが!!」— 惰性 (@ze_m27) November 14, 2022
さすがに気の毒になってきた。 pic.twitter.com/EM8Z1tp9qV
— あれっくす (@NStyles) November 11, 2022
妹に細田守作品と新海誠作品どっちがどっちの作品か分からないと言われたのでケモナー要素強いのが細田作品で2000年代エロゲ要素強いのが新海作品と丁寧に教えてあげたら余計分からんこの役立たずとブチ切れられた
— 難民 (@7th_Heaven_24) November 12, 2022
「すずめの戸締まり」について、フォロワーの文学者はなんか「宗教や喪に無神経だ。火を吐きそう」と怒り狂ってるし政治哲学者は「万人天皇主義。不敬の極み」とか言ってるしどんな広告よりも見たくなってきた
— なまえちゃん (@_1989_o) November 15, 2022
新海誠作品のファンって大体こんな感じに分かれるから意見割れるのも仕方ないと思ってる#すずめの戸締まり pic.twitter.com/KqQJjNVIq1
— Onigawara-gonzo (@Onigawaragonz77) November 12, 2022
まとめ
お母さんを探す声のシーンは泣きそうになるくらい心が押しつぶされそうになりましたが、最終的には前向きに物語が進み、伏線回収もしっかり行われ、いい映画を見たという満足感とともに帰宅できました。
次の作品も楽しみにしています!
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