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映画

SE7EN

se7en 映画

はじめに

「2か月も経つとみんな興味を失い全て忘れちまう」

そんな世の中で30年経っても忘れられない衝撃作が、今回4K&HDR対応でIMAX上映されるとのことで見てきました。

かなり有名な作品で現在も配信中であり、内容を知ってる人も多いとは思いますが、うちの息子みたいに初見の人も居ると思うので、後半からネタバレありで感想を書いていきます。

まずは観るまでの経緯とかを備忘録として記していきます。

父として

息子は昔はゼルダばっかり毎日遊んでたんですが、言葉の勉強になるかなと思って映画を見せ始めてたんですよ。

そしたら『ジェンブイ』や『THE BOYS』を見てる最中に、お風呂に入ったら早く続きが見たいのかパンツを履きながら部屋に入ってくるくらい気に入ったみたいで、そこから映画に本格的にハマっていったのかと思います。冷静に考えたら、息子はホームランダーに導かれてしまったとも言えます。父親としてこれでいいのか?

そんな息子が高校合格しました。お祝いに映画につれてこうとしたら、どんなにパパが『ジークアクス』や『トワイライトウォーリアーズ』を勧めても、息子は『SE7EN』のポスターを指さしてコレが見たいと言いはるのでした。見た人ならわかる、あのシーン。確かにかっこいいよね。

父親としてこれでいいのか?と思いつつも、まぁ『ミスト』見ても平気だったみたいだし、と思って息子を連れてくことにしました。

七つの大罪の八つ目

そんなわけで上映三日前に席を予約することにしました。しかし少し風邪をひいて普段より判断能力がにぶっていたのか、予定の前日のチケットを2席購入してしまったのです。

お金が勿体ないという気持ちよりも、他の人があの傑作を見れる機会を2席も無駄にしてしまう、その罪悪感がキツい。これは七つの大罪の八つ目ではないでしょうか。

そんなわけであれっくすさんにチケットただで譲るので見ます?と打診したところ、快諾いただきました。自分が予約した席は特別割引だったので、チケットそのままだと鑑賞できなくなるので、チケット窓口で相談したところ、差額を払えば大丈夫ですということで、チケットは無駄になりませんでした。大罪にならずセーフです。

上映始まる前に、ジークアクスの感想をネタバレ全開で話せて楽しかったですね。ネット上だと自粛せざるを得なくて、この画像貼るくらいしか感想いえないし。

チケット代は余分にかかったものの、あれっくすさんから京都みやげをいただきました。ありがとうございます。京都まで行かないと入手できないものだったので、チケット代がこれになったと思うとむしろ安上がりだったのではないでしょうか。現在のわらしべ長者!

京都みやげ

二席あるということで、あれっくすさんがご知人を連れてきてたんですが。ですが。

「え、あれっくすさん、その方はSE7ENは初見?」

「敢えて何も伝えずに誘いました」

「……ええっ……」

大丈夫なんかな……と心配になりましたが、ご本人の感想は「面白かった……けど……」みたいな反応だったらしいです。楽しまれたようで?何よりです。

ひょっとして自分は結局七つの大罪の八つ目を犯してしまったのだろうか。

最高の環境

30年ぶりにIMAXで浴びるSE7ENは素晴らしかったです。

かなり昔の作品のはずなのに、時代は感じても古さは全く感じません。あたかも今の技術で昔の時代の新作を撮影したかのような感じで、暗い画面でもコントラストが効いてかなり見やすく、4K&HDR対応されたスタッフの力量に頭が下がるばかりです。IMAXということで音響もよくて、銃撃戦の迫力が尋常じゃなかったです。

自宅で観るのと全く違った体験になるので、初見の人はIMAXでこの衝撃を味わってみてはいかがでしょうか。

ネタバレ感想

ここからネタバレ感想になります。そのものズバリは書いてないつもりですが、匂わせも危険と思いますので、クリックしないと見れないようにしてます。

クリックでネタバレ感想を表示

大まかなあらすじは覚えてるものの、細部はいい感じに忘れていたので、伏線回収や画面の隅々まで落ち着いて鑑賞できました。

導入時に老刑事の自室にチェスが置いてあったりと知的な部分の演出がよかったですね。図書館でクラシック流れるシーンとか最高です。

カメラマンのシーンは「あっ……ここで運命が分かれたか……」って感じで察してしまいました。ご丁寧に名前のスペルまで教えてしまってなければ、果たして計画は変わらなかったのでしょうか……

妊娠の相談をされて老刑事が堕胎させたことを語るシーン、結末を知ってるからこれから待ち受ける悲劇の暗喩だったのか、と再鑑賞にて悟りました。

昔見たときも凄いと思いましたが、銃撃戦の迫力がIMAXということで更に音質も良く、普段見てるアクション映画よりも異様に迫力があり、追走劇の緊迫感が只事じゃないし、顔が見えない犯人の風情も素晴らしい。上映前にきちんとiPhoneの電源を切って、AppleWatchもマナーモードにしてたんですが、心拍数が120を超えたとアラートが鳴ってしまいました。これは七つの大罪の九つ目だったのかもしれません。音が大きいシーンだったので周りには聞こえてなかったかもしれませんが、即座に腕時計を外してカバンにしまいました。既に見てたはずのシーンなのに、ここまでの緊張感をもたらしてくるとは……

今まで雨が降ってたのに、物語の終盤で雨が止んでるのがなんかイヤでしたね。それはあたかも『ミッドサマー』を見た帰りに青空をみて「勘弁してくれよ……」と思った時がごとく。陰湿な雨がやんで心が澄み渡るべきなのに、なにかの予兆にしか思えない雰囲気。そして訪れる人物。

作中ルールを提示してきつつ、観客が慣れてきて次はなんだろう、どんな殺しが来るんだろう、と予想しはじめた矢先に作中ルールのハシゴを外してくる脚本がうまいですね。赤く染まった両手をひろげる神々しさすら感じるその姿は、名乗りがなくても誰なのか分かる。分かってしまう。

犯人の異常性の演出が見事でした。自分は特別ではないが、やっていることは特別だと語ったり、言葉のやり取りはできるけど、意志の疎通ができそうにない感じ。まだ羊たちの沈黙のレクター博士のほうがギリギリ分かりあえるかもしれないけど、ジョンドゥは彼岸の彼方というか一線を超えているというか。

そして終盤。車がただ走ってくるだけのシーンなのに、ここまでの緊張感をもたせる技量が凄いですね。勘の良い人だったら、このあたりで7-5=2ということで、誰が犠牲者だったか気づいたかもしれませんが、初見の時の自分はテンポよく次々展開するシーンに圧倒されて、考える余裕すらありませんでした。

ラストの箱を開けるシーン。30年前に劇場で見た時は、上映トラブルがあって暫く暗転してたんですが、てっきり演出なのかと思ってしまいました。それくらいに見る人の想像を刺激するショッキングなシーンだったと思います。

『セブン』衝撃ラスト現場、「あの箱」に何が入っていたのかが明かされる | THE RIVER

いま、フィンチャーはフリーマンに対する絶対的信頼をこのように表現している。

「いつも言っているように、モーガン・フリーマンがいれば箱の中身を見せる必要はありません」。

モーガン・フリーマンの表情を通し、我々は箱の中身を幻視する。

そういうわけでラストシーン、完全に通しで見たのは初になります。それだけに落ち着いて、犯人が妊娠を知らなかったのかと笑うシーンや、銃口を向けられて静かに目を閉じるシーンを見れました。見てしまいました。

その直後にやってくるエンドロール。犯人のキャストから逆スクロールする演出を見た瞬間、完全に忘れてたので驚きました。昔学生時代に見た時は気づかなかったけど、犯人役はあの映画でも犯人を演じてたあの人だったのか、と。

上映後のトイレで、みんな沈んだ顔をしてたのに既視感があり、なんだろうと考えてたら思い出しました。 『ミスト』を見たカップルがこんな顔してましたね。たぶん『ショーシャンクの空に』を見て、スティーブン・キングがホラー作家だと知らず、同じ原作の作品と思って見に来てしまって衝突事故にあったかと思われる、あの感じ。

男の世界にようこそ

15歳の息子の様子が気になります。

もしや息子にはまだ早かったのか。でもそんな事言ったら人類に早かった映画かもしれません。

SE7EN初見勢の感想からしか得られない栄養素がこの世にはある。しかも中学生の息子から得られたとなると……そりゃもう、ねぇ……(ニチャア)

父親がしてはいけないであろう笑顔で「面白かった?」と息子にきいたら、いつもは「ふつう」くらいしか言わないのに珍しく「面白かった……」と言いました。今までに見たこともないような、表情が完全に無くなった顔で。

もしかして父親として、七つの大罪の十個目を犯してしまったのかもしれません。

なにはともあれ、息子にとって、忘れられない体験になったような気がします。良くも悪くも。一種の通過儀礼だったのかもしれない。

ジークアクスの特典もって、これから見ようとニコニコしてる人々を脇目に、無表情な息子と帰路につきます。晴れた空のもとで。

ずっとこのままかと心配してたんですが、帰り道にハンバーガーを買うときには笑顔が戻ってきてたので安心しました。おかえり、日常へ。

帰宅後に押し入れを漁ったら、パンフレットやCDや映画チケット半券が出てきました。やはり当時の自分も熱狂のあまり、色々買い漁ったのだなぁ、と。

se7enグッズ

息子に見せたら、ぎょっとして「いつ買ったの?」と不思議そうでした。なんでこんなものが自分の寝てる部屋の押し入れから出てきたんだ?とでも言わんばかりの表情です。

「30年前に買ったんだよ」と答えたら「そんなに?!」と驚いてました。

どうも30年前の映画ではなく、最近の新作映画と思ってたみたいです。

4Kリマスターの効果、しっかり出てますね。最高の環境での視聴が出来て、本当に良かったです。

おわりに

セリフの一つ一つが、先の展開を知ってるからこそに心に響きました。

「結末は2つだ。奴を逮捕するか、奴が7人まで殺し続けるか」

「ハッピー・エンドはない」

後の部分は賛成だ。

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