単行本6冊にわたる昭和20年代編もこの巻で完結です。TVドラマ化されたので今までの短編を知ってる方は多いと思うのですが、今回のような長編まで読まれている方は少ないかもしれません。
最初読み始めた頃、この物語がどのように着地するのだろうかと興味津々だったのですが、本当に見事な纏め方で稀に見る極上の人間ドラマだと感じました。最初は嫌な奴だと思えた人物も、知れば知るほど色々な方向性から人間性が垣間見えてきて、作品全体に対する思い入れもいっそう深くなるのを実感します。個人的に特にお気に入りなのが姑の徳子さんですね。いっけん怖くて意地悪そうなのに、憎まれ口をたたきつつもお世話焼き。年の功というものを感じさせる語り口もたまりません。
今までの短編しか知らない人にも是非読んでみて欲しいです。是非とも19巻から一気読みするのをお勧めします。と言ってる自分も連載誌で毎回欠かさず読んでたくせに、19巻以降は購入するだけ購入して読まずにとっておいて、まとまった時間が取って思いっきり一気読み、この世界に再び没入しちゃいました。ああ、何度見てもあのラストシーンはいいなぁ。
色々な人に、読んでもらいたいです。
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