あの駕籠真太郎氏が本格ミステリーを描いた!という評判を聞いて手にしました。もちろん本格ミステリーという点を素直には受け止めずに。
駕籠真太郎氏について知らない方が多いと思いますので、簡単に説明します。漫画界の鬼才、と言い切っていいでしょう。色々な奇想やアイデアを常に追求し続ける姿勢には、いつも驚かされます。これだけ聞くと、なんで世間では知られてないのだろう、と思われるでしょうけれど、もちろんそれには原因があります。
エロ・グロ要素が毎回強いのです。今回、作中で『駕籠さんからエログロ抜いたら何が残るんです?』と言及されてて笑いましたが、それくらいエログロ要素で満ちているのです。といった前口上でとりあえず念を押しておいたんで、覚悟の無い人は手に取らないだろうと思うんで、続けて感想を書いていきます。
と言いたいところですが、ネタばれになるので多くは語りません。確かにミステリーでした、トリックについて何か書くとネタばれになるくらいに。ただし、本格ミステリーと言っていいのかは分かりません。いつもどおり、人を選ぶ作品になったかと思います。
刺激的で面白いんだけど、エログロ要素強すぎでメジャーにならない方なんだよなぁ、と思って今回少しだけ一般よりになったんじゃないかと期待したんですが、もう思い切り裏切られたような、やっぱりそんなんかよ!という期待通りというか、複雑な心境です。たぶんエログロ無しだとこの人マンガ描けなくなっちゃうんじゃないの?と本気で思っちゃいましたよ、もう。
ここまで読んでる奇特な人だったら、たまには毒のある作品に触れてみたいなぁ、と奇特な事を考えてそうなんで、ここはもう思い切って読んでみちゃってはどうですか? とはいえ、最初の駕籠真太郎作品がコレだとちょっとキツいと思うんで、まずはこちらのエログロ要素が控えめな作品が入門向けだと思います。
控えめとはいえ全体としてはブラックジョークな作風なので、普段は無菌室のような漫画しか手にしないような方には、まだ刺激が強いかもしれません。
とはいえ、絵的にはまだまだ一般向けな内容だと思いますので、偉才というか異才な駕籠真太郎ワールド未体験の方は、手にしてみてはいかがでしょうか(正直、どう薦めればいいのか分かりかねる部分がある、というのをこの物言いから感じていただけると幸いです)。
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