マッドマンと聞いてワールドヒーローズ?と思う人々には一生縁が無さそうな異能の作家、諸星大二郎氏による鳥をテーマにした短編集です。もっと正確に言うと、存在しない鳥の短編集です。
現代社会が舞台になっているものもありますが、そうでない場所の方が多いですね。鳥というテーマだけで、よくぞここまで色々な話を紡ぎだせるものだと感心します。個人的に白眉なのは第四話の「塔に飛ぶ鳥」でしょうか。独特の世界設定をもつ短編SFだと思います。世界そのものが持つ謎が魅力的で、SFで言うところのセンスオブワンダーが十二分に含まれているかと。
これらのアイデア主体の多彩な話を読んでいると、枯れない方だなぁと感心します。これからも独創的な話を作り続けて欲しいですね。
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