まみりんは今、会社をやめるかどうか、人生の選択の瀬戸際なのです。すぐに会社をやめて失業保険受給中に職業訓練校に行ったりしつつ就職活動をするか、会社で自由契約になって働きつつ就職活動をするか。どっちにしろ長居をする気はないようですが、すぐにやめると上司の方に仕事が殺人的にやってきそうなので、どうしようか悩んでるみたいなのです。
まみりんだけでなく、他のMAC室の方々も大変な状況です。中でも31歳で子持ちのKさんは、会社から例の告知があった翌日に奥様と奥様のお父様が会社に駆けつけてくるくらい大慌てでした。そんなKさん、就職活動に精を出したようで結果報告を上司の方にされたそうです。
「お得意先の*社に、会社の実情をこと細やかに書いて、雇ってくださいとメールを出しましたので」
上司の方は一瞬頭が真っ白になってしまって、気がつくとこう言ってたそうです。
「……*社は転勤多いらしいですよ」
「それも仕方ないですよねぇ」
なんかKさん、受かるつもりでいるみたいですが、社内事情を他社に簡単に漏らすような人を雇う会社ってあるんでしょうか。
このやり取りを聞いて帰ってきたまみりんは、俺にこう言いました。
「ダーリン、5月いっぱいで仕事やめることにするね。いいでしょ?」
「まぁ最終的にはまみりんが決めることだから、俺はまぁいいけど。それで悔いが残らないならいいよ。しょうがないし……でも、上司の人が大変だから辞めにくいって言ってなかった?」
「いいの、いいの。だって仕事増えないだろうし」
俺もこれだけドライに生きていれば、ここまで苦労の連続をしてなかったのじゃぁないかと思うと。
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