作者のやまむらはじめ氏の作品は殆ど読んだことはないのですが、長編よりも短編が面白いという風評だけは聞き及んでました。サンデーGX誌でたまたまこのシリーズの一遍を読んで気に入ったので期待して購入。その期待は裏切られませんでした。これは面白い。
大陥没により陸の孤島と化し、内戦状態の首都圏での人々のエピソードが連なる短編集。どれも別々の独立したストーリーとして楽しめる、切れ味が良くテイストの異なる短編で構成されていて読み応えは十分です。なお単行本ではプロローグとエピローグが追加されていて、ここで少し個々のストーリーが交わっているあたりも絶妙。ほんわかとしたエピローグの中、「政治的なニュース」といったシビアな部分もある辺り、気に入りました。
今はウルトラジャンプ誌での他作品の連載も始まっているので、このシリーズの続編は厳しいかな。とか思いつつも、氏の他の短編集『未来のゆくえ』でも読みながら、気長に続きを待ってみたいと思います。
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