まみイズム

ストIIIの大会のためにまみりんをいとこの家に外泊させることにしました（ツッコミ無用）。ホテル代とか交通費が浮くんだからその分おこづかいをよこせと言ってきました。ここで逆らうとゴネられて大変だから、ある程度は渡さないとね。
海外の露店では最初はわざと高く値段をつけて、そこから客に値切らせて定価よりも高めの値段に落ち着くように操作すると聞き及んでいます。その応用でまみりんに少なめに渡してからちょっと足していけばバッチリではなかろうか。
そう考えつつお札を数枚取り出したら、まみりんが目の色変えて、バシッと空気の音をたてつつお札を奪い取りました。
「え、なんで二千円くらいでそんな必死になってんの？」
「え、一万一千円くれるんじゃないの？」
よりによって諭吉かよ！
「間違えたんだから返しなさい！」
「がるる〜！　犬はもらったものは返さないだからね！」
睨み合いをしてると、まみりんがお金を後ろ手に隠しながら語り始めました。
「これはわたしがまだ幼稚園の頃の話なんだけどね……」
「いきなり何で回想モードになってんの？」
「（無視して）家族で神社に遊びに行ったんだけどね、知らない子がわたしの持ってる綿菓子を欲しそうにじーって見てたの。あんまり欲しそうにしてたからあげたんだ」
「へー、小さいのに心が広いじゃんか」
「でもね、後から惜しくなったから殴って取り返したんだ〜」
「へ、へー……」
なんだか外泊させた方が安くついてきたような気がしてきた。