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小噺

衝撃発表(4)

そして長い長い夜が終わり、はれて自宅へ帰りつきました。さっそく寝室ではなく居間に行くと、案の定、わが妻まみりんはコタツでだらしなく寝てました。
「ただいま、まみちゃん」
頭を撫でてじっと待ちますが、妻はぴくりとも動きません。何度か撫でて反応をみてみますが、いつもみたいに無意識に抱きついてきてくれません。だらしなく口を開けたまま、よだれまでたらしてます。
「……今日は疲れてて、熟睡してるんだね」
苦笑しながら、そのまま俺もコタツに入って横になりました。なんだか色々な意味で力が抜けたんで、ほどなくまどろみました。そしてしばらくして、頭に何か感触があって目が覚めました。妻が俺の頭を黙って撫でてます。俺も起きあがって、妻の頭を撫で返しました。
「おはよう、まみちゃん」
「おかえり、ダーリン。今日は遅かったんだねぇ。歓迎会とかあったの?」
「歓迎会、か。うん、そんな感じ」
「ふーん。まさか浮気とかじゃないでしょうね?」
妻がふざけて言ってるのは分かるんですが、心臓が凍りました。
「いや、浮気とかじゃないんだけど……」
「じゃないんだけど?!」
「うん、何にもなかったよ」
「何にもなかったよ?!」
「いや、その」
「ダーリン?!」
「はい」
「いいからそこに正座しなさい」
「はい」
「正直に話しなさい」
「はい」
そしてその夜起こったことを全て白状させられ話しました。
「……じゃあ、ダーリンは何もしなかったんだね」
「うん」
「キスも何もしてないの?」
「そうなんだよね。ああ、もったいないことしたかなぁ」
「ぁあ?! もったいない?!」
「いえ、冗談です。すみませんです、ハイ」
「でもひょっとしたら、手くらい握ったんじゃないのぉ?」
「いや、手も握ってないなぁ。ほんとに何もしなかったよ。据え膳食わぬは男の恥、って言うけど、恥かいたことになるかなぁ」
「ま、ダーリンだし(否定しない)」
「ま、しょせん俺だし(最近の口癖)」
「そうよねえ」
「そうだよねえ」
「……でもね、私、思うの。ダーリンがもし、そこで手を握る程度だけでも甲斐性あったんなら……

※第五話へ続く

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