PR(記事内にアフィリエイト広告が含まれています)
スポンサーリンク
PS4

ファークライ5

FarCry5 PS4

はじめに

※記事後半に事前にことわりを入れてからの、ネタバレありのエンディング考察があります。

発売日直前まで存在を知らなかったんですが、敵役となるカルト教団の記事を見かけ、そのリアルさがかなり気になりました。しかもパッケージからして一部の方面にかなり挑発的で、すごい存在感です。

最後の晩餐

アメリカの国旗を敷き、最後の晩餐を模すかのごとく12人の信者の中心にいるのがファーザーと呼ばれるカルトのリーダーなんですが、カリスマ性が凄かったですね。

どう話に収拾つけるのかが気になってしまい、このシリーズ初だったこともありゲームとしても新鮮に楽しめたので、自分にしては珍しく毎日遊んでクリアしました。クリアしてしまいました……

箱庭を楽しもう

グラフィックの綺麗さはPS4でも最高峰ではないでしょうか。水の表現などが特に素晴らしく、自然の中でじっとしているだけでも風情を感じます。実際に行ったことはありませんが、アメリカの風景ってこうなんだろうな、と実感を伴うレベルの没入感です。

これだけ画面がキレイなのに、オープンワールドものとしてみてもロードがかなり速い方ですね。どんな技術使ってるのでしょうか。PS4PROのSSDで遊んだこともあってか、ファストトラベルやっても10秒以内に終わるので、ブレスオブザワイルドやFF15などに比べるとかなり速い印象です。

今までFPSやTPSでは、ゾンビかイカの相手しかしてなかったので、今作で人間を殺戮するのに抵抗感がありました。とはいえ眼の前に殺意込めてやってこられたら、カルトの信者も被害者という理屈ぬきで応戦するしかないのです。仕方ない、仕方ないんだ……

とはいえ、釣りしてる最中に銃撃うけた時だけは別ですけれど。

釣りの時間は不可侵な領域
そりゃ「ジャマすんな!」と即座にRPGぶっぱなしましますよね、人として。

鬼平犯科帳は全てに優先される
そして静かになった湖で、何事もなかったように釣りを再開。

よーし、結構大物がつれたぞ〜!

そうこうしているうちに感覚がマヒしてきて、道端に乗り物があったら強奪して乗れるようになってしまいました。

よーしパパ、大きなトラックを手に入れたぞ〜!

戦闘などの難易度的にはかなり難しい方だと思うんですが、ロード時間が速くてリトライも容易なので、ほとんどストレスを感じませんでした。初見殺しみたいな理不尽な点はあまりなく、死んだとしても殆どが自己責任と感じるような塩梅なのが良かったですね。考えて工夫すれば、意外と楽にクリアできたりしますし、攻略する楽しみがある難易度だと思います。

とはいえやりこんでる人はシャベルを使いこなしてて笑ってしまいました。あんなに自分が苦労した難所を、軽やかに走り抜けてて凄すぎます。今日から俺もシャベル教に改宗しないと……

ミッションや宝探しイベントもなかなか多彩で、やり込もうとすると色々なシチュエーションがあって退屈しません。戦闘などは正面突破しようとするとほぼ死ぬので、きちんと考えて遊ぶ必要がありますが、仲間の組み合わせやルート、武器やアイテムの使い方でかなり楽になったりするので攻略が楽しいですね。

かなり難しいミニゲームもあったんですが、SHAREボタンで自分のプレイを録画して見直せるのに気付いて、冷静に集中してやったらクリアできたりしたので、難しいところほど冷静さが重要だなと再認識しました。適当にやってクリアできるほど甘くはないゲームですが、それだけに工夫したあとの達成感があります。派手な音楽といい、スピード狂なとちくるったレース内容といい、明るくクレイジーなノリが面白かったですね。

これだけの規模なのに細部の作り込みが凄いです。グラフィックもさることながら、武器の紹介のテキストなどもいちいち凝ってて、ただ単純に書いたというような文章が皆無で読み応えバツグンです。まさか自分が弾薬の説明文を読み漁る日がくるなんて。

テキストだけでなく、日本語吹き替えもバッチリで、声優さんたちの熱演がみな素晴らしかったです。ここまでローカライズにも手間暇かけてくれてるので、世界に入り込みやすかったですね。かなりお金かかってるんだろうなぁ。日本じゃそこまで売れないかも知れないのに、ここまで気合いれてローカライズしてもらえて有難い。カプコン見てるか(小野見の口調で)

中でも印象に残ったのは、おそらく世界で一番渋いと思われる釣り屋さんでしょうか。この陰惨な世界で唯一安らげる水辺にて、釣りのうんちくから哲学的な問いかけまで幅広い会話をしてきて、なんて渋い声なんだと思ったら龍が如くの声優さんだったようで納得するばかり。

スペシャリストと言われる仲間を二人まで連れていけるんですが、この組み合わせでも会話が発生して驚きました。しかもかなり数が用意されてて、その人達の個性がにじみ出てますね。犬もかわいいですけど、いちおしはチーズバーガーかな(どんな動物かは見てのお楽しみ)。ちなみにオススメしないのは放蕩息子です(ある意味あんな性格だったら、この狂った世界でも幸せに暮らしていけそうではありますが)。

個人的に短所と思ったのは、エアドロップ能力が使えるようになるとファストトラベルで一番上の選択肢になって誤操作しがちだったり、普段は長押ししないと行動決定にならないのに飛行機に乗ってる時は即座に降りれてしまったり、武器をそんなに持ち替えたくないのに弾丸回収と同じボタンなので煩わしかったり、といった細かい点でしょうか。あと進行不能になりかけた時があったくらいですけれど、頻度は低いと思います。

といった感じで優良可でいえば優レベルはらくらく取れるような逸品なんですが、あまり他の方に気軽に勧められるものでもなかったんですよね。詳細を言うとネタバレになってしまうんですが、かなりの衝撃作ゆえ、覚悟して遊ぶ必要があるとだけ言っておきます。

ネタバレ感想

前置きが長くなりましたが、ここからネタバレ満載の感想となりますので、エンディング到達後の閲覧を推奨します。

クリックでネタバレ感想を表示
あの挑発的なパッケージからして、かなり狂った内容なのは覚悟してました。カルト教団のリーダーを殺してめでたしめでたし、みたいな展開にはなりそうにないな、と。

銃で人を撃つのも抵抗あるし、火炎瓶で敵が悲鳴をあげて倒れる姿なんて見た日には、常に自分が正義という意識はもてなく、仕方なく戦いに身を投じているという気分で、落ち着かなさが終始まとわりついてました。少なくとも「人でなしのカルト教団をぶっ殺すぜ、ヒャッハー!」みたいなノリではなかったです。

使徒ジョン

そういう心境もあって、最初に会った使徒ジョンとの最後の会話も衝撃的でした。

YES

「もしファーザーが正しかったらどうするんだ」と言われると、自分の中の何かが揺らいでしまう。客観的に見ると彼らは非人道的なことばかりしているのに、みな自分自身が正しいと信じていているうえ、しかも自分を殺した相手に「神の祝福を」と言って死んでしまうのです。

ゆらぐ。

ゆらぐ。

自分の中の正義がゆらぐ。

自分の中にYESが見当たらない。

本当にこのまま突き進んでいっていいのだろうか。

使徒フェイズ

次に向かった女性使徒フェイズは、もはやそこに存在しているのかも怪しい存在でした。

信仰

とらえどころがない風なのに、終盤では監禁されたことなどに独白して、信仰の陰りを見せつけてきたのが印象に残りました。

それでも最終的には穏やかに死んでしまうのですが、彼女だけ聖書由来の人物名になってないことと合わせて、何らかの意味があったのかもしれません。フェイズ(信仰)と名前をつけたものが複数居たという点もありましたし。

祝福という言葉がここまで緊張感をおびる演出も見事でした。最初に天使たちを見た時といい、保安官の目つきのやばさといい、妄想と現実がいつの間にか融合している風景ゆえに、自分の主観性がすでに怪しく思われる点といい、今後の先行きの不安感を煽ってきたと思います。

ゆらぐ。

ゆらぐ。

視界がゆらぐ。

ここまで遊んだ時点で、プレッパーの宝について色々誤解してました。てっきりプレッパーという人物が居て各地に宝を残していると思ったら、非常事態に備える人々を意味する一般名詞だったのですね。アメリカだと多数の人が属していて、けっこうメジャーな言葉らしいです。

この言葉の意味を知った時、不穏な雲のことを思い出し、カルト信者が口にしている「終末」がにわかに現実感をおびて、ぞっとしました。

終末

今思えば、この物語がまともな終わり方をしそうにはない、という確信に近いものを感じた瞬間でした。

使徒ジェイコブ

最後に向かったのは、間引きの使徒、ジェイコブ。

オンリーユー

最初は時間制限イベントを何度もさせられ、しょうがないなとゲーム攻略的な気分で戦っていたら、二度目に目覚めた時は周囲に何故か死体が転がっています。かなり不穏に思うものの、繰り返している内に「どうせ幻覚だから、みんな煙になっていくから」と罪悪感が麻痺し始めた途端、最後の最後に死体が残っていたのが衝撃的でした。映画ではなくFPSならではの秀逸な仕掛けだったと思います。

単純な暴力だけではなく、心にじわじわ訴えてくる得体の知れない佇まいが、単純な悪役と違った不気味さだったのではないでしょうか。

ゆらぐ。

ゆらぐ。

自分がゆらぐ。

ファーザーとの対峙

そして賛否両論なのが、あのラストでしょう。

どういう風に物語を締めくくるか、というのは色々な作品で難しいところだと思うのですが、良くも悪くも想像を超えてました。鼻水を流しながら涙目になっているファーザーを見て「よーし今からこいつを殺しちゃうぞー!」と張り切ってた人は、あのラストを見てどう感じたのでしょうか。

自分の場合、物語の結末を見届けたいとは思ったものの、ファーザーを殺すのに乗り気じゃなかった事もあり、あの場面では「家族を殺されても、あえて神父(ファーザー)として許す選択をとるのか……」という何とも言えない心境で、教会の扉を開けることになりました。

立ち去るかどうか悩んだものの、結局は戦いを挑みました。抵抗しても殺すまではいかないのではないか、と一縷の望みを持ったのですが……

終盤でファーザーはこう言ってました。

ジョンは間違っていた
君の罪は「憤怒」じゃない
君は自尊心を満たすためなら、世界すら犠牲にする

あの言葉は全く大げさではなかった。

本当に世界が犠牲になってしまった。

なんとか回避できないかと、USBのセーブデータを使って、教会でもう一つの選択を行った結果、最終的に聞こえてきたのは、オンリー・ユー……

他に残された選択はあるのでしょうか。

実は、あります。

教会でファーザーが「捕まえないという選択を与えたのに、君はここまで来てしまった」と言っていたではありませんか。

ニューゲームを選択し、冒頭での逮捕を行わず、立ち去りましたが、虚無感が心を満たしていくばかりです。強いていえばこれが一番マシな終わり方に思えますが、救いがどこにも見当たりません。

スタッフロールが57分もあるほどの人員・規模の作品だから、失敗なんて出来るわけが無いはずなのに、敢えてこの衝撃的な展開にゴーサインを出した会社の判断にも驚くばかりです。とあるゲームでは日本だけ原爆イベントが削除されたりしたこともあったのに、あえてそのまま発売してますし、色々と英断だったかと思います。正気にては大業ならず。

20時間ちかく遊んで結末がこれかよ!と大抵の人は怒るでしょうけれど、自分の場合は耐性が出来てたのかも知れません。タイトル名は伏せますが、2017年前半に遊んだ二本のゲームが、揃いも揃って製作者しか面白がれないようなメタネタぶちこんできたので、あれらに比べたら全然世界観を崩してないだろう、と。むしろラジオで世界情勢がやばいといった演出もあったり、プレッパーの施設がそこらにあったり、とこの結末をかなり最初から仄めかしてた感すらあります。

とはいえもっと世間に迎合するなら「ファーザーを殺してしまったものの本当にこれで良かったのだろうか」的な苦い味わいな、プレイヤーの溜飲を下げるようなエンディングも用意しておけば良かったんですよね。カルネアデスの板の例えもありますけど、さすがに仕方なかったで済ませるにはあまりにも非人道的なことをやってますし、目的はともかく手段は認められない人も多かったでしょう。お前の予言は正しかったかも知れないが、手段は許されないぞ、と。

ここまでのものを作れたスタッフだし、入念な調査や下調べをしたという記事も拝見したので、そういう後味が少なめな展開を考えなかったわけはないのでしょう。

シナリオライターの方はインタビューで繰り返し「選択」という言葉を多用されたといいます。この物語が選択をテーマとしている点だけは疑いようがないようですけれど、どの選択でもこのような終わりしか待ち構えてないわけです。

敢えてこうしたという強い意志を感じるのですが、この点から皆さんは何を感じるのでしょうか。

嘲笑? 

悪意? 

風刺? 

何らかの信念?

プレイヤーが度重なる監禁と洗脳をうけているせいで、もはや完全な客観性がないですし、提示されている確実な事実というのも限られているため、考察しようとしてもどうしても不確定なところに行き着いてしまうとは思います。その曖昧さもシナリオ上の狙いと感じますし、釣り屋が言ってたシュレディンガー状態だと思うのですが、自分なりに考えようとしてみました。

教会でファーザーが祝福の液体をぶちまけてたので、全てが妄想であるという可能性も捨てきれません。その割にはラジオの北朝鮮との確執の描写がリアルすぎますし、各地のプレッパーたちの文書類も関連性がありすぎますし、原爆が1発ではなく2発も田舎町に落ちてきている点でアメリカ全土が攻撃を受けていると思われるので、妄想にしては妙にリアルに思えます。

とはいえそう言い切れない点があります。爆発のあとでバンカーに連れられた時の星条旗に、カルトの十字架が描かれていたんですよ。冒頭のシーンでは確かに普通の星条旗だったのに……

星条旗

さすがに星条旗をよそから取ってきたり、持ち歩いてた事もないでしょう。この件ゆえに妄想の可能性も捨てきれなくなりました(とはいえ星条旗だけが幻覚という可能性もあるわけですけれど……)。

更に懐疑的なのが、エンディング後に再スタートすると、何事もなかったような街の中でゲームが再開できてしまう点です。普通のゲームならファーザー戦の前からやり直させるところなんですが、敢えてこうすることで重大な選択肢は巻き戻せない感を出しているのでしょうけれど、とにかく違和感があって落ち着かないです。本当にここはあの豊かな自然のホープ・カウンティなんだろうか、と。

オンリーユー状態のように、明らかに視界がおかしくなってる時のみ、妄想であると判断しても良かったんですが、それだとフェイズ戦での地形まわりが説明つかなくなるんですよね。おかしな風景だと思ってたのに、いつの間にか現実的な基地の中にいるあたり、どこからどこまでが妄想なのか、客観的に主人公が判断する術が無いのだと告げられている気分です。

エンディングではファーザーと二人で新世界を待っている状態のはずなのに、いざロードしなおすと、ファーザー達がいない平和な風景になっています。しかしながらその直前のロード時には、壊滅した町並みになっているのです。

滅び

美しい街並みからカルト信者は居なくなり、核爆発は起こらなかったのか。

実際は焼け野原なのに、主人公の目にだけは美しい街並みに見えているのか。

何から何まで現実でもないし、幻想でもないのかもしれない。

そもそも冒頭で目覚めたシーンと、エンディングで目覚めたシーンがやけにそっくりなので(国旗と椅子のマーク以外は)、最初からずっと夢を見ていた可能性すら……

ゆらぐ。

ゆらぐ。

世界がゆらぐ。

この件を考えるのは、これで止めてしまいました。

12

もう一点だけ気になったのが、12という数値の符合についてです。

絵画の最後の晩餐では12使徒が居ますけれど、ファーザー戦では主人公は12人の仲間を助けています。

最後の晩餐:キリストと12使徒
本作のパッケージ:ファーザーと12人のカルト信者

こう対比してみたうえで、考えてみました。主人公と12人の蘇生させた仲間達は、どういう意味になるのか、を。

最後にファーザーは、自分が父で、主人公は子だと言いました。二人だけでエデンズゲートへ行こう、と。

父と子というキーワードで一つ思うところがあります[A] … Continue reading。父と子と聖霊、という三位一体についてです。

・父なる神
・子なる神
・聖霊なる神

それぞれの神に人格はあるが、別々のものではなく一つであるという意味合いです。

ファーザーの本名はジョセフ・シードです。なお新約聖書ではジョセフ(ヨセフ)とはマリアの夫であり、イエス・キリストの父を指します[B] … Continue reading

子なる神はイエス・キリストを指します。聖霊なる神は天使たちを指すという説もあり、祝福をうけた12人の仲間とみなせるのではないでしょうか。これらの点を考慮すると、本作ではこういう対比になるのではないでしょうか。

・父なる神→ファーザー
・子なる神→主人公
・聖霊なる神→主人公の12人の仲間(祝福から蘇生したものの、核で全滅)

そう仮定すると、ファーザーは知っていたのかもしれません。聖霊なき新世界で、主人公が子なる神(イエス・キリスト)の役割になるということを[C] … Continue reading”>。だから主人公を保護し、バンカーへ連れて行ったのかもしれません。

ファーザーには父なる神の役割があり、決して物語中では死んではいけないという位置づけになっているため、ゲーム中では彼を殺すことが決して出来ない(選択ができない)という意味合いもあるのかも知れません。[D]でも真・女神転生だったらY*V*でさえも殺りかねないですけれど。

こういった点からすると、冒頭でファーザーを逮捕しないで立ち去る隠しエンディングは、スタッフのお遊びなどではなく、シナリオ上で実に大きな意味を持つのかも知れません。

本作ではハッピートリガーや他国政治に干渉する大国への皮肉(ある意味、主人公はアメリカとも取れますし)が込められているだけではなく、主人公の立ち回りが何らかの形で世界に影響を及ぼしているのかもしれません。

主人公の行動と核爆発の間には直接的なつながりは見られなくても、主人公が逮捕を試みた瞬間、世界が破滅する道筋へ繋がっていくのかも知れません。そう思ったのはオープニングでヘリが墜落したあとのシーンです。ファーザーは信者に言っていました……第一の封印が解かれた、崩壊が始まろうとしている、と。

あたかもバタフライエフェクトのごとく、蝶の羽ばたきが竜巻を呼び、ルーキーの介入が封印を解いて、キノコ雲を呼ぶ。だからこそ、敢えて立ち去るというのが宗教的にも正解という示唆を意味しているのかも知れません。時には手を出さないほうがいいこともある、この世には関わってはいけないものがあるのだ、と。

ファーザーが主人公を気にかけていたのは何故なのか。それが分かるような直接的な描写は無かったと思います。

でもファーザーは分かったのかもしれません、主人公が必要になるという事実だけが、唐突に。自らの子の人生を終わらせることになったあの瞬間のように、真理だけが心の中に、唐突に。キノコ雲におののく人々を背中に、目を閉じて歌を口ずさんでいたファーザーの風情を思い出すと、そう思えてしまうのです。

もうあの日には戻れない

考察しようとすると色々と不確定な事はありますが、たった一つだけ確実に言えることがあります。

我々はもう、オンリー・ユーを以前のような心境で聴くことはできない。

主人公だけが全てなのか

ファーザーを逮捕しようとしたその瞬間、我々は一線を超えてしまっていた。

もう、あの頃には戻れない。

終わりに

ゲーム性だけみるとかなり優等生だし、アーケードモードではマップ作成の自由度も高いので、気に入ったらずっと遊べる作品だと思うのですが……

しかしながら、かなり人を選ぶ作品なのは確かです。

自分はかなり好きな作品だし、色々な意味で心に残りました。

この作品を遊んで心が無風であることは無いと思います。良くも、悪くも。

他の方の意見を聞いてみたくなるゲームだと思います。

脚注

脚注
A ファーザーのカルトはそもそもキリスト教ではないですが、キリスト教をベースにした現代風なカルトと捉えられると思います。キリスト教は色々宗派があって、同じ宗派であっても原始キリスト教以降になって新たな考え方が追加されたり、となかなか包括的に語りづらい点もありますが、仮定に仮定を塗り重ね、考えてみました。
B そうなるとファーザーと対になるのは12使徒ではなくなるので、ちょっと苦しい説明になった気もしてます。Jacob(ヤコブ)の12人の子の一人がジョセフで、ジョセフの息子のキリストに12使徒がいるわけですから。主人公の仲間たちは、祝福をうけたあとに倒されてから蘇生してるので、ファーザーから主人公にキリストの役目と12使徒が移譲されたと考えられなくもないんですけれど。まぁキリストの12使徒には大ヤコブと小ヤコブがいるので、本作のジェイコブは12使徒の一人と見なせばいいのかもしれません。
C こう考えた場合、主人公は特定の人物ではなく、プレイヤーが性別を選べるのが気になるところです。キリスト教関連に詳しい方に意見を聞いてみたいところですね。
D でも真・女神転生だったらY*V*でさえも殺りかねないですけれど。

コメント

タイトルとURLをコピーしました