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小説

悪夢のドライブ

悪夢のドライブ 悪夢シリーズ

悪夢のドライブ 悪夢シリーズ

木下半太
幻冬舎
2014-10-10

悪夢シリーズ第三弾、こちらも他シリーズ作同様、一気に読み終えれました。他シリーズのキャラもちゃっかり出てきたりするんで、できればシリーズ順に読んだほうがより楽しめる感じですけれど、いきなり本作から読んでも問題ないつくりになってますので、気になったのから手にしてみてはどうでしょうか。
『悪夢のエレベーター』『悪夢の観覧車』などに比べると、スラップスティック色があがっている感じがします。大騒ぎにはなっているんだけど、読んでいてハラハラするというよりは、「こんなんどう収拾するんだよーっ?!」みたいなノリですね。しっかり伏線をはって、最後にきちんと回収するから、安心して楽しめます。
とはいえ、一つだけ気になった点が。有名な洋画のオチをけっこう名言してしまってるのです。タイトルまではっきり出してるから、未見の人には思いっきりネタばれでしかありません。かなり昔の有名作だからほとんどの人が見てるだろうし、という言い訳もあるかもしれませんが、少なくともうちの息子は確実に見てませんので、そういう考え方には同意しかねます。ゲームで言えば、某殺人事件の犯人の名前が大っぴらに流布されてる状況に近いのかもしれませんが、もう少しうまく処理できなかったか、と悔やまれます。
と文句は書きましたが、楽しく読めたのは事実です。読了して心の中に何か残る、といったタイプの作品ではありませんが、娯楽作というのは読み終えていたら時間が消費されているのに気づいた、みたいな感じでいいんじゃないでしょうか。お風呂の栓を抜いて、しばらく経ったら水がすべて抜けていた、みたいに読んでいる最中に時間を意識させずに夢中にさせてくれれば、それでいい気がします。

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