『四畳半神話体系』(感想)が大変面白かったので、同じ作者のほかの作品にも手を伸ばそうと企んでみたところ、少し『四畳半神話体系』と繋がりがあるらしいという理由で本書を手にしてみました(話としては独立しているので単独でも楽しめますが、同じ人物がちらほら出てくるので、『四畳半神話体系』を読んでからの方がより楽しめるかと思います)。
ジャンルは青春コメディ、でいいんでしょうか。いや、けっこう珍事が発生するから、青春ファンタジーとか恋愛ファンタジーでいい気がしました。独特の文体や言い回しで、京都大学と思われる舞台が生き生きと描写されているから、一度京都方面に行ってこの目で確かめてみたくなってしまいます。
相変わらず登場人物が魅力的で、特にヒロインの良い意味での子供っぽさと来たら! 巻末に海野チカ氏の解説代わりのイラストが掲載されてたんですが、もうこれがイメージぴったり。少し幼い感じがしますが、まぁ普通のヒロインだったらおともだちパンチしたり鯉を背負ったりしないですし、雰囲気にあってるかも。
ストーリー的には先が見たくて仕方が無い、といった風情ではなく文体とか雰囲気を楽しむ感じで、段々とページ数が残り少なくなってくると寂しい気分になってきました。もっとこの楽しい場所で過ごしていたいのに、と。この作者ならではの、この作者でしか書けない、暖かい作品だと思います。
コメント
森見登美彦先生だと「恋文の技術」も面白いですよー。
バカ方向に炸裂した逸品です。
「おっぱいバンザイ」とつぶやく主人公とか。
書簡体形式と変わった形式みたいですが
相変わらず文体とかが魅力的みたいですね。
こちらも読んでみようかと思います。
教えていただいてありがとうございました。