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小説

チルドレン

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

伊坂幸太郎
講談社
2007-05-15

正直にここに告白します。まったく期待してませんでした。読み始めたときは、伊坂氏の作品の中で初めて自分に合わないのになりそうだ、とさえ思ってました。そして全ては間違いでした。浅はかだったのは自分だけでした。
『アヒルと鴨のコインロッカー』(感想)の時も趣味が合わないかもなぁとは思っていたのですが、本作に対してはそれ以上に危惧してしまっていました。だって犯罪事件とか一切起こりそうにないじゃん? この身に実際にふりかかるのはヤだけど、はたから犯罪とか見てるの最高じゃん?
いやー、犯罪とか事件とか殺人とか起こらなくても面白いものは面白い。この場合何が面白いかと言うとキャラクター造形、特に陣内という男の存在感に尽きます。あまりの無茶苦茶さや熱さや我侭さから、なんとなく『よつばと!』のジャンボを想像しながら読んでしまいました。いやぁ、これがかなりハマりました。破天荒なんだけど実は情にあつかったりする姿とか、ピッタリですよ、ほんと。騙されたと思って貴方も事前に『よつばと!』から先に読んでみてはいかがですか?
読む前と違い、読んだ後は一番他人に薦め易い作品かも、って思っちゃいました。「なんかいいよなぁ、これ」ってつぶやいちゃうような感じ。

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