オープニングで小鳥が死ぬシーンからして、人がたくさん死にそうな予感がしてましたが、まさか上陸作戦であんだけ死ぬとは。強者感漂わせてたあのキャラですらあっさり退場するあたり、この映画は油断できないぞ、、、と監督のメッセージを感じ取ったつもりだったのですが、気を引き締め始めたつもりが笑ってしまいました……オープニングで彼らの死に際が次々映し出される、あまりの命の安さに。これ映画に緊張感を与えるのが目的じゃなくて、監督が悪趣味な笑顔満載でやってるでしょ?
どいつもこいつもキャラたってて最高ですね。特に可愛らしいサメ君、いつか仲間を腹減ったと食べるんじゃないかと終始ドキドキしてました。こいつの特性が塔に入るのに役立つとかいうの、結局何だったのか謎ですが、そういう細かいこと考える映画じゃないから問題ないですね。
平和のためなら女子供でも殺す!という自己矛盾ありそうなセリフ、さらりと風刺的なものを含んでて、その「正義」が最後まで揺らがないあたり、ギャグのフリして奥深い、、、と思ったけど気のせいだったかもしれません。そんな高尚な事を考える映画じゃないですしね。
吹っ飛び方という点だと、ジャンプ+のデッドプールのせいで、思ってたほどメチャクチャじゃないとかけしからん事を考えてしましましたが、辛口料理ばかり食べてて舌が麻痺してる人ってこんな感じなのかもしれません。そんな自分にとって、本作は思ってたより王道で泥臭く面白い作品という位置付けです。でも息子には絶対見せられないけど。
英語で「カイジュー」とわざわざ話すくらい、日本の怪獣映画に対するリスペクトがある感じでニンマリ。特にあのVS字幕出るところとか、特撮感溢れてて堪らない! ポスターもよく見たらラスボスの形になってたりと仕込みがうまいですね。
ヘルメットに反射したシーンとか、血の代わりに花びらが舞う美しい戦闘シーンとか、雨の降りそそぐなかで逆光をまとって進むシーン、などといったとにかくかっこよく見映えの良いシーンが満載で、最初から最後まで飽きずに楽しめました。特に最後あたり、命令に逆らって街を救おうとするくだりや、みんなの力を結集させて立ち向かうところ、本当にアツい!
めちゃくちゃ面白かったのですが、あえて無粋な事を言わせていただきますと、ここまでやってても極悪人には見えなかったんですよね。現実ならともかく、映画世界の中では銃で人を殺す程度では悪党と思ってもらえない世知辛い世の中なのです。そう、たとえ勘違いして味方を虐殺しまくって気まずい雰囲気になったりしても、極悪人に思えないんですよね。もうこの際、鈴木亮平を連れてきて「映画じゃけぇ、何をしてもええんじゃあ!」とか言わせてみてはどうでしょうか。
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