自分にとっては意外だったのですが、世間では評価が二分されているようです。思うに、鑑賞前からこの映画のジャンルを決め付けて見てしまい、過去の偉大な同ジャンルの名作と比較しながら妙な期待をしてしまうと、どうしても良く思えないのかもしれません。
個人的にはそういう点ありきでも面白かったんですけれど、なんでわざわざ自分から不満を持つような見方をするのかな……?
自分は公式サイトのオープニングの動画(バスや電話のシーン)を見て、「これは凄い映画に違いない! 何の映画かよく分からないけれど!」といった事前情報しかなかったですし、「***」へのオマージュだとか「***」に対する侮辱だとか、そういうことはいちいち考えずに見るほうなので、存分に楽しめたのかもしれませんね。
とにかくこの映画の「絵」が好きで、好きで。今でも印象に残っている演出がかなり多いです。空虚な世界観の中に時折はさまれるロック調の音楽が妙に似合っていて、『トレインスポッティング』の監督の作品であることに妙に納得しました。
決まりきった枠組みの中での展開しか感じられない作品が多い中、この作品は先の展開があまり予想できなくてかなり楽しめました。ハリウッド映画ほど派手でもなく、フランス映画ほど退屈でもなく、ほんの少し変わった立ち位置にいる娯楽映画だと思います。大ヒット作ばかりに飽きた方にはオススメではないでしょうか。
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