アフリカ圏(ナイジェリア)の方が書かれた作品で、アフリカという風土がこのような作家を生み出したのでしょうか。とにかく独特の作風で、他の地方ではこんな作品は類を見ないでしょう。
妖しくゆらぐ勧善懲悪ではない辛辣な展開、アフリカ圏ならではの単語、昔話を話すかのような短く途切れる独特の文章のリズム。心が純粋な子供には読ませられない「アフリカむかしばなし」といった風情です。
読んでいて、なぜか僕の瞼の裏では不気味で滑稽な影絵のような風景が浮かんでいました。炎を通して、薄っぺらな影として、全てが動いているような、そんな摩訶不思議なイメージ。
この作品は皆さんのご想像の通り、あまり売れなかったのかすぐ廃刊になってしまいました。もし機会があるなら大きめ図書館に行ってみて、この強烈な小説世界に浸りこまれてみてください。
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