ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション(目次)
ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション海外版について、のぶお@海外勢さん(アメリカ東海岸のジョージア州在住)と、3機種で各ゲームごとのネット対戦状況を確認してみました。
確認しようと思った経緯
日本(福岡県)とアメリカ(ジョージア州)では13時間も時差があるのですが、けっこう意外な結果と気づきがありました。
Switch版
スト?'…152回
X…291回
ZERO3…201回
3rd…377回Xbox版は持っていないのでわかりません…
他に発見した事等があれば随時報告致します。#SF30th
— のぶお@海外勢 (@Nobuo_ATL) 2018年6月2日
この辺は自分も気になってました。スイッチ版が他機種に比べると微妙にラグい気がしていたのですが、微妙な感じとしか言えずもやもやしていたのです。そうすると他の方も似たような事を言われてました。
PS4版とSwitch版でスピードが違う疑惑があったので調べてみました。
オフラインでは自分は同じだと感じましたが、今日は初めてSwitch版をロビーで中野サガットさん、ダイワさん、ウルトラマリオさんと対戦したところ、明らかに遅い(ラグがある?)と感じました。— まっつカブ (@mattucub) 2018年6月7日
そういうこともあって、数値的な計測ができなくても、海外との対戦であればラグから如実に差が体感できるのではないかと考えたのです。
検証の内容
日本(福岡)とアメリカ(ジョージア州)で、以下のルールでネット対戦しました。
・入力ラグは3
・ニンテンドースイッチ、PS4、Steamが対象機種
・スト2ターボ、スト2X、ストZERO3、スト3サードを一回ずつ遊ぶ
・一つの機種で一通りゲームを遊んだら、交代でロビーを立てる
・プライベートロビー作成(PS4版のみアンテナが出るので、最初だけパブリック)
・スイッチはキャプボで録画、PS4は標準機能で録画(Steamは録画なし)
・操作感の違いを避けるため、同じアケコンをUSB変換器で使用
・日本時間で、土曜日の朝10時半開始
スイッチ版は全体的に重いですね。サードだけでなく、比較的軽いはずのXでもまともに遊べない感じです。
PS4版ロビーだとアンテナが2/5となっていましたが、意外と遊べます。PINGを計測してみたところ、平均188ms(約11フレーム)でした。
フレーム数などを数値計測したわけではありませんが、体感的に今回試してわかったのが下記になります。
・ホスト役を変えることによる体感的な違いはなし
・スイッチ版の方がラグになりやすい(海外とはまともに遊べない)
・同じ機種・条件でも、スト3サードがラグになりやすい(逆に言うとラグってるか試すのに使えるタイトルとも言えます)
→上記条件とあわさり、回線好調であってもスイッチのスト3サードだけは微妙なラグになりやすいです。試合にはなるものの、対空ブロ(猶予5フレ)などで影響を感じます
・PS4、Steam版だと比較的ラグが少なめで、アメリカとでも割と遊べる
→両機種で体感できる差異がなかったので、好きな方で対戦すればよいかと。
・Steam版だけロビー検索の仕様が他機種と違う模様。
→日本がロビーを作ってもアメリカから検索して見えず、その逆にアメリカ作成して日本検索でも見えない状況。パブリックであることは確認済。なお日本でロビーを作って日本から検索したら見える。また、日本でロビーを作ると、韓国や香港あたりのユーザから検索可能である模様(要検証。地域で切り分けてる疑惑あり)
→ランクマもSteam版のみ、他機種に比べると同じ地域が多めになっている印象があるため(日本だと韓国、香港など多め)、何らかのフィルタリングをしている可能性あり
個人的な所感
今までアメリカ西海岸やオーストラリアと遊んだことがあって、直線距離よりも経路の関係なのか西海岸の方がラグが軽い印象があったんですけれど、今回東海岸で遊んだ場合も同様にオーストラリアより体感ラグが少なめに思えました。あまり海外の方と遊んでないので、この辺は体感でしかないのですが……
スト2HDで昔から海外勢と遊ばれてる農業の喜び氏の印象だと、こんな感じだそうです。
国内>台湾、香港>オーストラリア=東南アジア=中国>米西海岸>カナダ=南米>米東海岸>ヨーロッパ=ブラジル 体感+pingだとこんな感じでした。西海岸までは快適に割遊べてカナダ以降は避ける感じです。ちなみに箱HD時代に遊んだ西海岸の人と遊んだら明らかにストアニPS4のほうが快適でした。当時からお互いに環境は変わってる可能性がありますが。
なるほど、確かにそんな傾向はありそう、と納得。自分の場合はオーストラリアが遅くて、東海岸は南米よりはいいかも、といった印象があるのですが、いかんせん数多くやってないので、その辺りが印象の差になってる気がしました。
いたちゃん氏がツール使ってチェックされてて、こちらも参考になりそうですね。
TCP Monitor PlusのIP監視モニターを使ってsteam版ストアニのプレイヤーの国名を確認しています。
プレイヤー国名リストを作成中ですが、結構いろんな国の人がやられているようですね。#SF30thhttps://t.co/56RhN7IipS— いたちゃん (@itachan4649) 2018年6月11日
まだサンプル数少ないですが、steam版ストアニの通信結果を載せておきます。
ラグあまり感じない:日本2・中国1・オーストラリア1・カナダ1・アメリカ3
変動を感じた:日本1・中国1
ゲームにならなかった:フランス3・イギリス1・イタリア1・トルコ1・オランダ1・スロバキア1#SF30th— いたちゃん (@itachan4649) 2018年6月11日
なにはともあれ、東海岸でも意外と遊べるのがわかったのは収穫でした。起き上がりに一回転コマンドを入れておいて少し歩いての分割ギガス、電刃波動拳を3回ブロッキングといったことも普通にできたのは、アメリカということを考慮するとかなり驚きましたね。カジュアルな対戦ならこれでイケるのではないでしょうか。
とはいえ、フレーム猶予が少ないシビアなことを普段されてる方は、やはり気になるところがあるようですね。
steam版ストアニ、アメリカ回線と対戦してて体感のラグは2〜4F(ジャンプ攻撃をブロれる時がある)くらい。アケのガチ勢にしたらなかなか厳しいだろうけど、エンジョイでやる分にはアメリカとやってそんだけのラグってのは凄いのかも。ラグについては過去最高の少なさ。
(続く)— 杉山 (@osugi_necro) 2018年6月8日
(続き)
一番の問題は、一瞬だけヒットモーション出て、その後ガードモーションに変わること。ネクロで言ったらTCが特に影響受ける。小膝>中Pと出るんだけど、中Pは結構早めにキャンセル猶予が切れる。小膝のヒットモーション確認でボタン押したらガードモーションに変わりましたってことがあって辛い。— 杉山 (@osugi_necro) 2018年6月8日
自分はあんま厳しいコマンドとかやらないものの、確かに対空ブロは猶予が短めなのもあり、こんな風に感じられますね。まぁそれでもこれだけ遊べるのは驚異ですけれど。
入力ラグの初期設定値が3になってて驚いたんですが、アメリカは横に長くて時刻線が4つもあるくらいなので、そういう事情なのでしょう。カジュアルに遊ぶ分にはラグ3にしておけば今回のようにある程度遊べると思われますし。
なお本日、アメリカのストリートファイター公式Twitterが期待できる内容をつぶやいています。
Thank you for your support of #SF30th Anniversary Collection! We’ve been hard at work on various improvements. We’ll have more detailed information coming soon! Thank you for your patience. pic.twitter.com/TwLhUc4Ch0
— Street Fighter (@StreetFighter) 2018年6月9日
アップデートが来そうな表現ですね。オンライン周りではPS4ロビー障害や、ランクマ無差別といった困った点があり、スイッチ版もオンラインが少し難ありという印象でした。ストアニは実に良い出来だと思うので、そういう点も直ると、なお面白く遊べるのではないでしょうか。さらなる飛躍に期待したいところですね。
2018/06/16追記
ロビー検索の仕様で、選択したゲームすべてが存在するロビーのみ表示される、というのを前回検証時は知りませんでした(たとえばXのみの部屋があったとして、Xと3rdで検索すると3rdは含まれてないのでヒットしません)。
今回はそこも踏まえて、前回と同じ方(日本・福岡、アメリカ・ジョージア州)と、PS4とSteamでパブリックロビー検索を試してみました。結論はこのような感じです。
PS4:問題なし。即座に検索でヒットする。
Steam:なんか微妙。条件が同じでも検索にほぼ出ないで、20秒ほどローディングがかかった上で何も出ないこともあった。
Steamでは具体的にはこんな感じで確認してみました。
日本・パブリック・4ゲームでロビー
→Xのみ、3rdのみ、全ゲームで検索、とやっても出ない
日本・パブリック・Xのみでロビー
→Xのみで検索、表示されて、普通に対戦も可能
日本・パブリック・Xと3rdでロビー
→Xのみ、3rdのみ、X&3rd、全部等、とやっても出ない
同じことを今度はアメリカでロビー作成してやってもらったものの、今度は全滅。Xのみのロビーであっても、Xのみ検索して出てきません……なんで?
ローディング表示も数十秒かかったりするので、Steamでパブリックロビー検索は、現時点ではあまり当てに出来ないかもしれません。なおプライベートで招待する分にはなんら問題はなかったので、Steamではフレンドを見つけて対戦するか、ランクマが向いている気がします。
つぎに入力ラグについて試してみました。日本なら0どうしがいいと経験則的には把握してるんですが、どういう理屈なのかよく分かってなかったので質問してみたら、こういう仕様とのことでした。
GGPOと同じようなネットワーク対戦のエンジンを使っているとすれば、入力ラグが0で海外の場合、許容以上の同期ずれが発生すると回線早い側のフレームを飛ばすor巻き戻すので、入力したコマンドが飛ぶorなかったことにされてる可能性がありますね。
— TWIN (@TWIN_SuperSport) 2018年6月9日
なるほど……そういう観点で検索してみたら、公式のセイヴァーブログで記載が見つかりました。
GGPOとは簡単に説明すると「コマンド入力の反映時間をコントロールする事で、「通信の遅延(ラグ)を感じにくい快適なオンライン対戦を可能にする」という機能です。
インターネットを介して世界中の人とプレイするオンラインゲームでは、当然ながら通信ラグを完全に無くす事は不可能ですが、GGPOによってプレイヤーが通信ラグを体感しにくくする事ができます。
「GGPOディレイ」という項目があります。この値は0〜7の8段階に設定ができます。
この値が小さい程、コマンド入力が即時反映されます。相手との通信ラグが小さい場合はこの値も小さくすると快適に遊べます。
この値が大きい程、コマンド入力が反映されるまでに時間がかかりますが、通信ラグがある環境でもフレーム飛びや巻き戻りが発生しにくくなります。相手との通信ラグが大きい場合はこの値も大きくすると良いと思います。
文章だけだとちょっと分かりにくい部分もあるかと思いますが、実際にプレイしてみて「ちょっとラグいな」と感じたら値を変えてみるくらいで大丈夫です。
ストアニでGGPOを使ってると明言はされてないのですが、そうだと仮定するとわかった気がしました。国内の人とラグ3で遊ぶと動きが鈍い気がしたんですが、コマンド入力が反映されるまで時間が微妙にかかるからなんですね。逆に霞朱雀といった多段技を連続ブロッキングするときにラグ3の方がやりやすく感じたのは、猶予が増えるのでコマンド成立しやすくなる、といった理屈なのでしょう。
上記の点を踏まえて、まずはXで遊んでみました。
ラグ0:特に問題なく遊べてビックリ。フレームがたまに飛んでる気もしますが頻繁ではなく、リバサが何故か出やすい印象なので、もう今後は0で遊べばいい気がします。
ラグ3:まぁ普通に遊べます。リバサは何故か少し出にくい印象。気のせいかも知れませんが、0をまずは試して支障があるなら3などを試すのがよいでしょう。
ラグ8:動きが反映されるまでが遅いため、ギリギリまで歩いて波動拳をガードするのも厳しい感じ。リバサがどうのこうの以前の操作感なので、使う必要性はあまり感じませんでした。
次に3rdで遊んでみましたが、Xと違い少し重くなってました。
ラグ0ですでに少し動かしにくいです。とはいえ3rdをあまりやったことがない人だったら、普通に気にせずに対戦できるレベルだと思います。対空ブロからのギガスとかも出来るので、シビアな操作を要求されてなければ、アメリカ東海岸とでもこれだけ遊べれば上出来に感じます。ラグ3にしましたが、ゲーム自体が遅く感じられてるので、あまり良くわかりませんでした。内部的にはブロッキング受付時間が長くなってるのかもしれませんね。
別の日にそうと気づかず、ラグ3のままサードで日本人プレイヤーと対戦しましたが、気のせいかもしれませんが投げ抜けが全くできませんでした。またしゃがみガードするのに微妙に時間がかかってるのか、やたらと下段開始のコンボを食らった気がします。空中ブロッキングもまったく出来なかったのも後から気になりました。対戦相手が強かったので、心理的に慌てて操作がまともにできてなかった可能性しか考えてませんでした。
しかし翌朝別の人と遊ぼうとしてラグ3になってたのに初めて気づき、0にしたらほぼ投げ抜けや空中ブロも出来てたので、コマンド成立に時間がかかる仕様が、なんらかの影響を与えているのかもしれません。
いぶき戦だとターゲットコンボをガードする機会が多いからか、ほぼ全部くらって1試合で違和感に気づいたんですが、今回は翌朝までその可能性人すら気づいてなかった自分の感覚もあてにならない気がしてます。客観的な数値などで表現できればいいんですけれど、主観的なことしか言ってませんし……
個人的な結論としては、Xならアメリカであれば入力ラグ0でもいけると思います。3rdは少し重くなるので、そこを承知の上で自分で操作して適切な入力ラグ設定を模索する形になるかと思います。いづれにせよ、アメリカとでもここまで快適に対戦できるのは凄いことだと思います。いい時代になったものですね。
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