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小説

殺人鬼フジコの衝動

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)

真梨幸子
徳間書店
2011-05-15

賛否両論な作品でしょうね。幾つかの点で、個人的にはオススメしません。
息子が生まれてからか、いろいろな作品内であっても子供が虐待されたり酷い目にあうのに対し、耐久度が明らかに下がってるとは薄々思ってました。それがフィクションであっても、息子と過ごしている今となっては、完全に生活と切り離して鑑賞できなくなってる、とぼんやり思っていたんですが、この作品を読んで確信に変わりました。
第一作目は作者も意図的に不快感を与えようとしてるので、人によっては最後まで読まずに放り出すかもしれません。イヤミスといっていいでしょう。物語として面白くないわけでもないので、なんとか半ば義務的な感じで読み終えましたが、なんか疲れました。
あと盛大に帯バレしてるので、構えて読んでしまう人も多いですよね、コレ。そういうわけで、第一作目を読み終えた時、まぁよく出来てるとは思いましたが、完全に想定内で失望しました。こうしないと売れないんでしょうけれど、帯バレみたいな煽り方とかやめて、もう少し創意工夫してもらえないでしょうか。作品を台無しにしてるという自覚はないんでしょうか。はっきり言って安直です。この辺りは作者の方の責任ではないとは思いますが……
それでも第二作目を読むまでは、自分の中での評価はここまで下がりませんでした。面白いことは面白かったんですよ。先が知りたくなるような展開ですし、一作目に比べたら幼児虐待描写もなくて読みやすかったですし。前作とからめての伏線とか整合性とかはかなりまとめられていて、よくここまでやったなぁ、とは思うんです。でも逆に衝撃度が減ってる気がします。特に、明かされた肝心の真相が……なんというか、迫力が明らかに削げ落ちたというか……
小説ではないですが『ペルソナ3』を思い出しました。ラストで真相をぼやかしてた時期にユーザーの意見が別れて面白かったんですが、後日ファンディスクとして発売された『ペルソナ3フェス』で真相が明らかになってしまい、今まで不定だったからこそ良さがあったのに台無しにされた、というあの時の感覚。覆水盆に返らず。
後付で書いたのか二作目を想定して最初から書いたのかはよく分かりませんが、仮に編集から無理に続編作るように言われたのだったら、余計な事をしてくれたなぁ、ってため息が出てきます。作品が売れて作者の方の生活が潤って次の作品を生み出しやすくなる、という意味では否定できません。後付で一生懸命整合性をあわせられるように違う解釈が持てるように作られたのであれば相当うまくやったとまで言えます。でも、ねえ……
個人的には、イヤミスであるのを覚悟で、帯や背表紙の解説も抜きで、一作目だけ読んでみるというのであれば、ある意味オススメします。続編を作るというのは本当に難儀なことなんだな、と思う次第です。

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