とある島で、二人の語り部が、交互に自ら持ち寄った話を披露しあう、という短編連作集なのですが、これがとてもよく出来ていて、これでデビュー作だとは信じがたいものがあります。
一つだけ難点をあげるなら、登場人物の名前が覚えにくい、という点です。電子書籍とかなら、読了した状況におうじて自動的に人物関連図などを作ってくれたりしたら、面白いんじゃないかと思いますが、そういう作品はいまだに手にしたことがないですね。あってもいいと思うんですが。
でもまぁそういう自分なりの資料を、ああでもない、こうでもない、と自作するのも読書の楽しみかもしれませんし、便利さを追求して作る楽しみを奪ってしまうのも考え物かもしれません。
一度読み終わった後、たぶん再読したくなるでしょうから、自作した人物表を片手に、意外なつながりを発見しては人物評に書き込みを入れていく、といったアナログな楽しみを満喫されてみても宜しいかと思います。
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