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漫画

死神様に最期のお願いを

死神様に最期のお願いを 1 (ガンガンコミックス)

死神様に最期のお願いを 1 (ガンガンコミックス)

山口 ミコト
スクウェア・エニックス
2010-03-20

死神様に最期のお願いを 2 (ガンガンコミックスJOKER)

死神様に最期のお願いを 2 (ガンガンコミックスJOKER)

山口 ミコト
スクウェア・エニックス
2010-08-21

死神様に最期のお願いを 3 (ガンガンコミックスJOKER)

死神様に最期のお願いを 3 (ガンガンコミックスJOKER)

山口 ミコト
スクウェア・エニックス
2010-12-22

死神様に最期のお願いを(4)(完) (ガンガンコミックスJOKER)

死神様に最期のお願いを(4)(完) (ガンガンコミックスJOKER)

山口 ミコト
スクウェア・エニックス
2011-06-22

『最底辺の男』感想)が面白かったので、同じ作者の方の作品はどんなんだろうか、と思って手にしてみました。
表紙があまりにも雰囲気が違うので、本当に同じ作者なんだろうかと半信半疑で読み進めましたが、読了したら確かに同じ作者なんだろう、と納得しました。絵柄はずいぶん違うように見えても、ストーリー展開の巧みさや構成力の確かさに個性を感じます。
ジャンルとしては死神という独自ルールを用いた推理ミステリーといった感触で、作中の独自ルールをうまく説明するために、きちんとエピソードを用意している辺りが用意周到ですね。こんなに面白い漫画を今まで知らなかったなんて……と後悔するくらいに、実によく出来てます。それだけに、大変残念な点が一つだけあります。
すでに4巻で完結しているのですが、最終的に物語の大きな謎は未解決なままなのです。どうもコミックスの売り上げが芳しくないため打ち切りになったようで、作者の方も読者も無念としか言いようがありません。それくらい先が楽しみで、よく出来ていたと思います。
終わりが未解決、と聞くと手にするのを躊躇いそうになりますが、打ち切りという状況的に見れば、悪くない手段だったのではないかと思います。無理に数話で物語を収束させてグダグダにするよりも、推理可能ギリギリな手かがりと思われるものを提示して、真相を読者の想像に任せる。小説で言えば『どちらかが彼女を殺した』みたいな不敵ささえも感じます。
こういう手法は賛否両論かと思いますが、万が一続きが描かれる時に備えるのであれば、ベストではなくてもベターだったのではないでしょうか。少なくともこの終わりににした事で、完全に可能性はゼロ、というわけではないと感じます。どんなにゼロに近くても、少しは可能性がある、と思いたいところです。
とはいえ、正直なところ、最後に提示されたヒントが本当に全て足りているのかは何ともいえません。現実世界とは違うルールがあるし、ヒントの解釈によっては推理が二転三転しそうなので、厳密な推理ができるかと言うとちょっと違うかもしれません。二次元方程式を解かないといけないのに、式が一つしかないみたいな落ち着かなさというか、解が不定になりうる不可思議さというか。つまりは『TRICK×LOGIC』みたいにいかないかもしれないぞ、と。
というのも、裏表紙見たらヒントが4つあるけれど、一つはミスリードって明記してありますし、カバー裏の人物相関図は一見正しそうでなんか微妙な気がするし(時系列という観点からすると……?)、なんか微妙。とはいえ、こういった変化球が仕込まれていても、最終回でわざわざ明確に示された4つの考え方についてだけは、完全にフェアではないかと信じています。
こういう状況だと分かっていても、敢えて推理マニアな方々が次々と読了し、自説を披露してくれないかな、と期待してしまうのです。そしてミステリー界隈で話題になって、何かのきっかけでこの続きが読めるのではないだろうか、とも期待してしまうのです。
可能性は低いとはいえ、かつて『銃夢』が一度連載終了した後、途中から話が分岐したという想定で『銃夢LastOrder』として連載再開している、という奇跡をこの目で見てきましたので、完全に可能性ゼロとは言えないと思います。
作者も読者も満足いく形で、この続きが読めること。それがこの作品読了した後の、最期のお願いです。

2019/03/22 追記
なんとリニューアル連載されることになったようです!
死神様に最期のお願いをRE ガンガンJOKER -SQUARE ENIX-
前作でネタばらしせずに終わらせたのは、いい判断だったと改めて思う次第です。今度こそラストまで描き切っていただけたら、と願うばかりです。

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