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漫画

ラッキーマイン

夫婦そろって好きな作品なんですが、ネット上でも殆ど話題に上がってないので驚きました。全4巻で完結済みだから、これから読まれる要素はあると思うんですが、ここまで誰も語ってないとは……まぁ理由は分からなくもないんですが。
ギャンブル漫画と言うと、『カイジ』や『嘘喰い』、『ギャンブルフィッシュ』といった作品群を皆さん挙げられるのではないかと思います。この『ラッキーマイン』も広義ではギャンブル漫画と言えなくもないのですが、ちょっと普通のギャンブル漫画とは雰囲気が違います。
普通のギャンブルものだと、運任せでは無く何らかの知略やひらめきによって、主人公が能動的に事態を解決して勝ち上っていくものですから、その過程にドキドキさせられるのが常だと思います。しかし本作は違います。主人公はさえない男で、特に洞察力があるわけでもなく、漫然と勝負をしているだけです。だから、ギャンブルの緊張感や駆け引きを楽しみたい、と思って読むと人によっては肩透かしかもしれません。
だからと言って作品自体に魅力が無いかと言うと、そうではありません。そもそもギャンブルの駆け引きを骨格にしているのではなく、運をテーマにしたお話だから駆け引きを期待しようがありません。運任せのギャンブルの話というと、あまり面白くなさそうに思えますが、これがなかなかどうして、何とも言えぬ独特の奇妙な雰囲気があります。
作品がどこに着地しようとしているのか見当がつかないまま話が進み、気がつくとするりと完結してしまう。ああもう少し続いてくれたらよかったのに、でもダラダラ続くよりは描きたいことを描ききって終わってくれた方が幸せか、と思いを馳せるこの感覚は前作『無頼侍』にも通じるものがあるかもしれません。
万人向けとは思えませんが、普通のギャンブル漫画とは違った毛色の作品を探している方にオススメしておきます。
2014年11月22日追記
こちらの記事で、帯つきの画像を掲載してみました。読了後に裏面の帯も読まれると、より作品世界にのめり込めるのではないかと思います。

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