漫画を読む場合、可能な限り掲載誌で読む。少しでも早く先を見たい、でも当然毎回ごとしか見れない、まだ見ぬ次回先へのうずき。そういった恒常的な理由も当然ある。
しかし。
あらゆる漫画に必ず一度しか味わえない快楽というものに遭遇するため、掲載誌で読もうとする。何気なく掲載誌で読んでいた漫画の柱に、いつか必ず添えらる、あの煽り文句を見るために。
“次回、最終回”
この言葉を見て、物語がどのような収束を見せるのか色々と考えずにおれなくなる、あの瞬間。暗黙の了解的に終わるような凡百の作品では至らぬ、こんな想いを抱けるまでの作品に出会えることはまさに至福だ。
退屈な本を無理矢理読ませて本嫌いの人間を量産するくらいなら、これを読書感想文の対象にすべきだ。様々な意見が得られるであろうことだろう。良くも、悪くも。
教科書に載せるには問題が多すぎるが、いつか教科書に載せるべき作品。しかし決してそんな日はこないであろう作品。たとえ未来、教科書に漫画が掲載される時代が来てとしてでも。
世界は誰のものか。こういう論議が出来る稀有の存在であったとしても、その日はこない。そうなるにはあまりにも重過ぎる。
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