ミステリーの中でも、かなり異彩を放つ探偵メルカトルのシリーズなので、普通のものは出てこないだろうとは思ってましたが、ここまで実験作ぞろいとは。
ちなみに冒頭では、作者から下記のような言葉が述べられています。
本作ではメルカトルが色々と語ってくれます。どういうわけかメルカトルは不可謬ですので、彼の結論も当然無謬です。あしからず。
【不可謬】
間違えることはあり得ないこと。
【無謬】
理論や判断にまちがいがないこと。
と辞書で調べたあとで読み始め、最初はその言葉の意味は気にもせずに読み進めていたのですが、読了してから改めて見直すと色々と感じ入ってしまうものがありますね。5編の短編が掲載されていて、どれも一筋縄ではいかないキワモノばかりですが、個人的に一番気に入ったのは「収束」でしょうか。
ネタばれになるので深くは書けないんですが、人を選ぶ作品なので物好きなミステリーマニアなら手にとってみては、としか言いようがありません。いかにも麻耶雄嵩氏らしいマニアックな作品ではないでしょうか。
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