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小説

明日の空

明日の空

明日の空

貫井 徳郎
東京創元社
2013-04-26

帯に惑わされるな!と常日頃から自分へ言い聞かせているわたくしでございますが、10年ぶりの書き下ろしとか書いてあると、やっぱり気になってしまうじゃないですか。短い時間でさらりと面白いものが読みたい気分でもあったので、買ってみましたがなかなかの佳作ではないかと思います。
169ページで段組でもないので、人によっては小一時間くらいで読み終えてしまうのではないでしょうか。率直な感想を言うと、「10年に一度の傑作!」だとか「驚天動地のトリック!」といった期待をしなければ、十分に楽しめる作品だと思います。
詳しくはいえませんが、ミスリードが上手いので無意識に構えて読んでたのに、あっさり騙されてしまいました。「え、こんなトリックが!」と言うのではなく「ああ、そうきたか」的な思いがあり、心が大きく揺さぶられる感じはしないのですが、読了感は爽やかで、有意義な読書が出来たかな、といった按配です。
貫井氏の作品の入門編としては、かなりとっつき易いのでオススメです。

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