いまだに自覚はないものの、遂に一児のパパになってしまったので、何か参考になるものはないかと子育てコーナーをうろついてたのですが、この一角に存在してはいけない人物の名前を見かけてしまったのです。
そう、その名は榎本俊二。シュールで下品なギャグに定評がある異色漫画家。汚物と死体が満ち溢れる作品を世に送り出していることで、マニアックな世界ではとても有名です。
そんな彼が育児マンガを書いたんだろうか。タイトルは”育児”って付いているけど、実は中身は全然関係ない漫画なんじゃないだろうか。でも、たまごクラブとかひよこクラブとかに混じって置いてあるしなぁ。
そんな疑心暗鬼な気分で手にとってみたんですが、本当に育児マンガだったので驚きました。とはいえ榎本氏なので、こんなコマが普通に入ってたりしますが。
内容としては子育てエッセイと表現していいとは思うんですが、そこはさすが榎本氏、独特の味があります。淡々としていると言うか、飄々としているというか、実際は子育てが大変でしょうに、それを陰鬱な感じには表現されてないから、普通の方にも読みやすくなってます。
あくまでエッセイなので、子育てのノウハウが書かれているわけではないのですが、一つだけ大変参考になるところがありました。第26話「カリスマ外食」です。乳幼児を連れて外食に行ったとき、榎本氏はこう言うのでした。
「ラーメン二つ、時間差で」
そうです、両親のひとりがラーメンを食べている内にもう一人が外で子供をあやし、ラーメンを食べ終わったら交代してラーメンを食べるのです、時間差で。なんともシステマチックで、試行錯誤を経て確立された画期的ラーメン方法なのでしょうか!
そういうわけで勇気をもらいましたので、今夜は華蓮へ行って、セイロ蒸しをシステマチックで画期的な方法で食べてこれないかチャレンジしてきます!*1
「そうまでして外でゴハンを食べたいの?」と皆さん思われるかもしれませんが、「答えはイエスさ」と返答していきたい所存です。
家族って楽しいなぁ、って気分にさせてくれるので、父親や母親じゃない人にも普通にオススメしたいマンガですね。ただし、これを機会に榎本氏の作品に触れた方が他の作品を手にしてしまった時、どんな反応をするのか見てみたい気もしました。
それはあたかも、『グリーンマイル』などでスティーブン・キング映画を知ったに違いないカップルが、感動作だと勘違いして『ミスト』を見に来てしまって、ラストシーンで呆然としている、そんな有様を目撃した時に近いものがあるかもしれません。でもそれはそれでいろいろな意味で面白いので、当作品がもっと世に知られるといいな、と思います。
- 注1 : なおセイロ蒸しは二人以上からしか注文できないのでご注意を。つまり「おじさん、今から次のを蒸して!」と榎本氏の理論を実践するには、大人が三人以上必要です。もしくは店員さんにだっこしてもらうという超理論を実装するとか。
コメント
奥さんの耕野裕子が書いた子育てマンガも大好きです。
ぜひご一読を
http://www.amazon.co.jp/dp/4776792575
奥様からの視点でもマンガがあったのですね。
興味深かったので、早速注文させていただきました。
便利な世の中になったものですね。
教えていただいてありがとうございました。
お久しぶりです 嶽花さんとは榎本 俊二までカブッていたのか〜
「我々は生き別れた兄弟だったんだよ!(キバヤシ風に)」
という説を推していきたいです。
とか書いたら、MMRまでもカブっていたのか〜って言われそうな気が。
>>MMR
全巻持ってますよ
おみそれいたしました。
こうなると後は、妻にラブプラスを見つかって
「私、本気で別れたいって思っているんだけど!」
と怒られて、EX土下座(まことの新技らしいです。ゲージ3本使用)
までされていれば、兄弟どころか本人で間違いないですね。
そういうわけで、今日はひとりで大掃除をします。