評判だけ聞いて手にしたので、最初は驚きました。一ページあたりの文字数も少なく、漢字にはふりがながふってあり、有名絵本作家による挿絵が用意されている様子に。失礼ながら麻耶雄嵩氏の作品にしては読みやすいと感じたんですが、まさか本当に児童向けシリーズとして書かれたものだったとは。
児童向けではあるものの、雰囲気が独特です。外箱には普通にタイトルが書いてあるんですが、本書本体の表紙には題名が小さく添えてあるだけで、和名の『神様ゲーム』ではなく英名で『God’s Truth』と書いてあるのです。本当に児童向け……なんですよね?
とまぁ麻耶雄嵩氏だけあって、児童向けシリーズのふりして、しっかりとファンの期待を裏切らないカタストロフィを用意してます。それだけでなく、穿った見方をすれば、物語構造的な点でも読者へ違う次元の提案をしてきてるようにすら思えます。探偵という存在と読者の関連性とでもいうか。
そこまでメタ的な意味で考えなくても、普通の意味でも物議を醸し出す結果が提示されてるので、読了後はネットで検索せざるを得ないでしょう。作品読了後に検索したくなる作家ナンバーワンじゃないでしょうか。
いろいろ驚く点が多いと思いますが、一番驚いたのは講談社のほうから麻耶雄嵩氏へ「子供がトラウマになるような話を書いてもらいたい」と依頼したという事実です。その目的は十二分に達せられましたね、それはもう色々な意味で。
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