これはかなり凄い。絶対読むべきである。しかし、読むには覚悟が必要な作品もである。
地下沢中也氏の名前を聞けば、殆どの人は『パパと踊ろう』といった作品からギャグ系の作家という印象をお持ちだと思うんですが、自分としては『enotic』に収録されている異色作『われら動物家族!』の原作を書かれた方、という印象がかなり強いです。
そして本作ですが、その個人的な印象を更に後押しするようなシリアスな作風のSFでした。SFとはいっても小難しい理論などは書かれておらず、大変読みやすい内容になっています。表紙の絵柄から少しグロい内容かと危惧したりしたんですが、そんなことは全く無く終始あの絵柄で描かれていて安心しました。
おおまかなあらすじとしては、地震予知のためだけに作られて願いといった概念を持ちえぬロボットが、とある出来事をきっかけに地震予知以外のことも行うようになっていき、それにともない世界は不穏な様子になっていく……といった感じで、文章として読むだけだと割と良くある話では?と誤解されそうですが、物語の展開などがかなり巧みで、先が読みたくて仕方がない内容です。予言ではなく預言であるところなど、かなり考えられている感じが漂っていて今後の展開にも期待が高まるというものです。
一巻では第五話まで収録されていて、かなり先が気になるところで終わっています。第一部は第七話で終わっているらしいのですが、どうもこの作品の発表ペースは異例なくらい遅く、第一話からコミックス発売までなんと八年もかかっているそうです。掲載誌が今は亡き(?)COMIC CUE と聞いてなんか納得しました。
一巻が出たということはおそらく二巻を出す意思がある、という表れだとは思ったんです。ですけれど普通の感覚で待ってるのも厳しいし、六話と七話がかなり凄いらしいと聞き及んで、つい掲載誌を Amazon で購入しちゃいました。早く届かないかなぁ。
そういうわけで、この作品を読むには覚悟が必要です。まだ完結していない今、読むという点に関してだけは。
コメント
はじめまして。
本作、久々の名作だと思ってます。
6,7話はちょっとスッ飛んでますが。それでもテーマが良い。
はじめまして。
この作品は本当に凄いですよね。
マンガ読んでてあそこまで先が気になったのは久々です。
あれからどういう展開にしてどう纏めるのか、興味は尽きません。