PS5

LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶(クリア後感想)

4人で颯爽と歩く

未クリアの人向けの説明

今年5月に前作『ジャッジメントアイズ』をクリアした時は「今年これ以上面白いゲームは遊べないじゃなかろうか」と思うくらいの衝撃だったんですが、今は『ロストジャッジメント』を超えるゲームが今年遊べるんだろうか、と気持ちが上書きされました。

重厚かつ綿密なシナリオ、それを龍が如くスタジオが圧倒的な技術力で仕上げてきており、圧巻の面白さです。迷わずにアーリーアクセスのためにデジタルデラックス版を予約して、有給使って4連休にしたかいがありました(なおこの時はPS5版がインストールできず、しかたなくPS4版で待機してました)。

アニメーションと言う言葉は、命を与えるという意味があるそうです。冷静に考えるとすべてCGなのですが、実際に遊ぶと登場人物がそこに居る、生きている、と感じられる演技の数々に、とてつもなく心が揺さぶられました。名優陣により、登場人物達に命が込められたと感じる程のレベルです。主人公がキムタクこと木村拓哉氏だから演技力が大丈夫なのかと不安に思われる方も居るでしょうが、そこは全然問題ないので心配ご無用です。

話としては独立しているので、前作を遊ばずに本作から遊んでも大丈夫です。とはいえ出来れば前作から遊んだほうが、より思い入れが深く楽しめるかと思います。また『龍が如く7』と同じ舞台であるため、そちらを事前に遊んでいると、小ネタの数々を楽しめるかと思います(あとから7を遊ぶのも手かもしれませんね)。

当記事では本作のみの感想だけでなく、前作の感想なども書いてます。明らかにネタバレの場合はクリックしないと見れないようにするといった配慮をしますが、どうしても匂わせな言及もあるかもしれません。よって未プレイの方は、この文章を読んでる暇があったら、迷わず遊びましょう。TwitterやYouTubeも見ないで、いっさいのネタバレを排除し、できればPVすら見ないで前情報なしに、この世界に飛び込むことを推奨いたします。

本作のみの感想だけ読まれたい場合は、こちらからどうぞ。

前作の感想

PS5本体を運良く購入したものの特に遊びたいゲームもなかったので暫く放置してたんですけれど、廉価版でPS5用にチューンナップされて発売されるとのことで、発売当時は話題になったものの仕事が忙しくて手を付けてなかったので、ゴールデンウィークに遊ぼうかと思って手を出してみました。

最初のころはキムタクってだけで何をしても笑っちゃう状況でした。箸が転んでもおかしいというのはこういう気持ちなのでしょうか(違う)。

あんまりにも大暴れしてたからか、これ見てた妻が「事務所に車で突っ込むシーンがあったら録画しといてね」といいだすレベルでインパクトあったのでしょう。

本編とは別のサイドストーリーも、笑えるものが多いですね。「変態三銃士」がらみの数々のイベントは特にインパクト強かったです。

このシーン見てた時は、あんな強烈なのが出てくるとは予想もしてませんでした。未見の人はぜひ自分の目で確かめてほしいですが、とりあえずクリックで当時の自分のツイートを見れるようにしておきます。

クリックで変態どもを表示

お尻マイスター

変態のアマチュア

最後の一人

デバガメ判事

ジャイアント・インパクト

そんなふうに最初のうちは笑いながら気楽に遊んでましたが、1章の完成度が凄すぎて自然と表情が引き締まりました。システム的な紹介を自然と行いつつ、あれだけ気になる終わり方をしてくるとは、もう導入として完璧すぎます。この時点で名作間違いないだろうと直感的に思いましたが、クリアしてその予感は正しかったと証明されました。

連続ドラマを見てるかのような、随所随所で気になる終わり方を章立てで区切ってくるので、ついつい先を見たくて遊んじゃいます。日本が世界に誇る名優揃いの熱演も素晴らしく、これがCGだと忘れて没頭するばかり。どの人物も素晴らしかったですが、特に黒岩の得体のしれなさが白眉ですね。一見するとおとなしそうな善人なのに、なにか油断できないものを潜めているというか。椅子で背伸びをしつつクルリと回るシーンは、特に印象に残りました。あとラスボスの「モグラ」が体捌きや銃の扱いだけで、とてつもなく強そうってのが瞬時に伝わってくる辺りも凄みがありましたね。

正義とは何なのか、を突きつけるシナリオも見事でした。単純な勧善懲悪とは言いづらい、淀みと深みがある内容だったかと思います。タイトルの意味もはっきりと提示されず、考えさせるものがあった点も良かったですね。死神の遺言とは何だったのか、人によって意見が分かれるのかもしれません。

妻は主人公が女性じゃないとゲーム遊ばないタイプなんですが、自分が遊んでるのを横で見てたら遊びたくなったようで。1章をクリアした時は「今までキムタクの事何とも思ってなかったけど、カッコいいからファンになった」とまで言って、そのあとも毎日地道に遊び続けて遂にクリアしました。

これだけの名作をクリアしたあと、妻が何と言うかと思ってたら、スタッフロール見て最初に言ったのが「なんで海藤さんだけ服がダサいの?」だったので、相変わらずマイペースすぎる……

とはいえ、最後あたりは「なんか寂しくなるね」というから、なんだかんだで妻も人の子だったか……と思いつつ息子をお風呂に入れたりして自室に戻ってきたら、何事もなかったかのように妻がまた遊び始めてて、相変わらずマイペースすぎる……

ロストジャッジメントのクリア時はなんて言うか楽しみです。色々な意味で。

龍が如く0の感想

あまりにも『死神の遺言』のシナリオが凄かったので、シナリオライターを調べてみたら古田剛志氏という方でした。

担当作品に自分が大好きな『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!(感想)』や『428(感想)』があったので、これは他の作品もチェックするのが義務かと思って本作を手にしました。

3日くらいでクリアし、確かに面白いことは面白かったんですけれど、元がPS3時代のゲームってことで、細かいところで遊びづらく感じました。シナリオ的にヤクザもの苦手だときっついかもしれません。

とはいえそもそも龍が如くシリーズは、もともとは任侠ものとか好きだけど子供向けのゲームしかなくて遊ぶものがないお父さん向けのシリーズだと思うので、自分が単にターゲット層ではなかったというだけかもしれません。海外のギャング映画とかだと普通に見れるから、ヤクザファッションとかがキツいのか、日本という場所だと身近に居そうで忌避感があるのか、といったところが原因かもしれません。

と文句めいた事は書いてますが、逆に言えばこんな事感じてたのに、3日でクリアしてるんですよね。先が気になるシオリオはやはり良く出来てると思います。ただ、面白くはあったんだろうけど、クリア時に寂しくはならなかったので、そこまで思い入れが生まれなかった感じでしょうか。ここは個人差というか嗜好が出ちゃうところだと思うので、客観的に遊んで損はない作品であるとは感じます。

龍が如く7の感想

任侠ものはどんなにできが良くても自分の肌にはあわないのでは……と思い始めてたんですが、こちらもシナリオが古田剛志氏ということで気になり始めてたところに、巷では薄汚いMOTHER2というわけのわからない紹介されてたのを知って、本格的にどんなゲームなのか想像もつかなくなってきました。

シリーズ作ではあるんですが、いきなり7から始めても問題ない作りらしく、つい手を出してみたところ、想像以上にヘンテコな雰囲気で驚かされました。

とはいえシナリオはかなり骨太でハードな内容でした。綿密な作りはやはり古田剛志氏の作品ならでは。

シリーズでは異例のコマンド選択方式の戦闘でしたが、皆と一緒に旅してる感覚が強く、クリア直前からすでに寂しくなるくらい、仲間とのやり取りが楽しくて思い入れがある作品ですね。

『薄汚いMOTHER2』という例えも、終わってみたら要所要所でしっくりきます。

もう肉体年齢が50歳間近なので、ゲームやるのも体力使うし、あんま昔ほどは遊ばなくなってきたかな……と少し前までは思ってたんですけど、ジャッジメントアイズをきっかけに五月は3本もゲームクリアしちゃいました。しかも全部龍が如くスタジオ作品だったので、妻からは「任侠ものは苦手だったんじゃないの?」と言われちゃいましたが、遊びやすくて面白ければ熱中して遊んじゃうもんだなぁと実感した次第です。

クリア後の感想(ネタバレあり)

ここからはロストジャッジメントのネタバレを踏まえた感想になります。クリア後の方のみクリックしてご覧ください。

クリックでネタバレ感想を表示

前作をやってるときは「キムタクが暴れてる!」って感じだったのが、最後あたりは「八神……!」ってなるくらい思い入れが強くなっていきました。そういうわけで本作の場合は最初から「八神さん、コイツやっちゃってください」と馴染んで大暴れしちゃう感じです。

前作のメンツも相変わらずいい味だしてて、同窓会気分で楽しい!

懐かしいやり取り

海藤さんがあまりにも海藤さんだったのはほんと微笑ましい。

腹を割りすぎ

フルスイング

前作の登場人物も一通り出番があるのもファンサービス満載です。

転売、ダメ、ぜったい!

あちゃ~

あきれ東

抑えきれない

やりづらい

再就職してるとは

笑えるシーンも多いです。登場人物のセリフも人柄がにじみ出てて気がきいてますし、セリフないシーンも構図に味がありますね。

VR八神

白い目

地雷

北京ダックへの熱い想い

下げ損

自撮り

探偵の覚悟

気合の入った変態

カッパ

あっぶねー

ドレスコード

変装に自信あり

こういったお笑い要素も満載ですが、本編はかなりシリアスに進みます。

1章は前作同様にまたしても波乱を匂わせる幕引きでしたが、今回はPVである程度知っていたのでそこまで驚けなかったのが実に勿体なかったです。どうせ買うと決めてるんだから、PVすら見なかったらもっと驚けただろうに……と思ってたんですけれど、4章のラストの動画でヘルメットを脱いだ瞬間は口から「えっ?!」て言葉が漏れました。

ヘルメットの下には

人間、本当に驚いたら口から言葉が自然と出ちゃうものなのですね。

自分はメフィスト賞系の新本格派とよばれる、人を驚かせるためにありとあらゆる手を尽くす作品群をよく読んでいるので、残念ながらちょっとやそっとじゃ驚けない体質になってたと思ったから、自分が驚いて声を出してしまったという事実に驚いてしまいました。そしてこの瞬間からラストまで、ここから話がどうつながるのかが気になって仕方がなくて、駆け抜けるようにクリアしてしまいました。

便利屋さん

桑名は街の便利屋さんという登場だったので、てっきりお助け人物くらいの位置づけかと思ってたら、まさかここまでの重要人物だったとは……生徒たちとの関係性や脅迫材料の存在にはぞっとしましたが、最後の葛藤ゆえの咆哮もあり、実に奥深い人物だったかと思います。法的に見れば犯罪者なのかもしれませんが、そう断言できる人は居るのでしょうか。できなかったからこそ、八神も救えないかとあがいたのかと思います。

桑野と言えば、本人と直接関係はないかもしれませんが、自宅で手かがりを探す際に、またいつものめんどくさいサーチかと思ってたら、伏線をまじえた巧妙な隠し方だったのが良く出来てると思いました。いつも電子タバコを吸っていて、灰皿が綺麗だということに気づけば、手当たりしだいに探さなくてもおのずと答えがわかる作りは、納得感もあって素晴らしいです。

あと地味にぐっときたのは、それまでのボス戦だと役割と名前といった表示になっているのに、最後の戦いだけは名前のみになっている点ですね。

相馬

相馬

桑名

自分にしては珍しく涙腺が緩んでしまう瞬間が何度も来ました。誰かが死んで悲しいといった単純に分かりやすい感情ではなく、一言では表現し難い感情のうねり。

自分も小学生の子供が居るので、万が一同じ状況になってしまって、同じ提示をされたら、同じことをしないでいる自信がないです。というよりも、たぶん自分も手を下すのではないでしょうか。

それだけに、最後の裁判で録音を消そうかと言った瞬間、今まで飄々としていたのに「駄目だ!」と感情をあらわにするシーンでは特に強く心に感じ入るものがありました。

ここでいっそ消してしまっても

駄目だっ!

この時いだいた感情にも、明確な答えはないのかもしれません。「私が殺したのは人間だったのですか?」という言葉が心から離れません。

答えはみつからない

前作同様、スタッフロールは無声劇になっていますが、仕草だけでみんなの個性が表現されてるのが素晴らしいですね。何を言ってるのかは具体的には分からないものの、たぶんこういう事言ってるんだろうな、と微笑ましくなりました。

スタッフロール

こんな具合にメインストーリー以外はほとんどやってないので、これからじっくり楽しもうかと想います。

クリア結果

といった感じにロストジャッジメントを数日でクリアして燃え尽きてたら、妻から「そんなにすぐクリアしないで、少しずつ遊ばないともったいないんじゃない?」と言われたものの、PVすら見ないで遊び始めた妻がさっきプレイはじめて1章のオープニング出たら「夜も遊びたいから別の部屋で寝て」と打診してきた。少しずつ遊ぶとは一体。

少しでも先が見たいという妻、ストーリーで中華料理屋へ向かう最中、いきなりゲームセンターに入ってUFOキャッチャーを始めてしまいました。あまりにも欲望に忠実すぎる……UFOキャッチャーを続けすぎて、ついに横にいる海藤さんから「ター坊、そろそろ行かないか」と催促されてるのに「UFOキャッチャーの種類が少ない」と文句を言いながらも遊び続ける妻。ゼルブレで「ゼルダ姫を救って何のメリットがあるの?」と気ままにふらふら旅してた妻の姿が思い出されます。クリアは一ヶ月後くらいになるんじゃなかろうか。

本編ネタバレを避けたツイートなど

この気持ちに名前はあるのか

ロストジャッジメントをクリアして、面白いゲームをクリアしたあとの、なんともいえな寂しさを感じています。

ゼルブレとか、ジャッジメントアイとか、いいゲームはクリアすると寂寥感が凄いので、あえてクリアしないという人が居るのもわかる気がします。

この喪失感に名前はまだないのだろうかと思ったところ、アニメではこういう言葉があるようです。

Post Anime Depression Syndrome

アニメ終了後うつ症候群を意味する。「PADS」は海外での呼称であり、日本では「アニメ燃え尽き症候群」、「アニメロス」、あるいは作品名を冠して「けもフレロス」「ごちうさロス」などと呼ばれる。

アニメ、とくにシリーズの最終話を視聴したあとに気分が落ち込み、うつのような症状が現れることがある。具体的には、気分が沈み込む、アニメのことばかり思案する、ほかの物事に集中できなくなる、他の人のことをあまり気に留めなくなるなど。また、物語について深い考えを持つようになる。

登場人物に深く感情移入したり、物語に大きく心を動かされたりすることが要因と考えられる。医学的には、アニメが終了したこと、登場人物と別れることが喪失体験となって引き起こされるうつ病と考えることもできる。また、実際にはアニメに限らず、小説、映画、テレビドラマ、ストーリー性の強いゲームなどでも、エンディング後に同様の症状を訴える人が見受けられる。

そういう意味からすると、今のこの気持ちは

Post Game Depression Syndrome(PGDS)

または

Post LostJudgment Depression Syndrome(PLDS)

または

ロストジャンジメントロス(長い)

と言えるのかもしれません。

「良い小説を読み終えることは、良い友人と別れることと同じ」とする作家がいるように、アニメ愛好家もまたアニメを観終えたあとは言いようのない寂寥感を覚え、なにか大きなものを失って自分の心が空虚になったように感じられる。

物語はいつか終わりを迎えるが、それによってあなたの心が揺り動かされたのなら、それはその物語が素晴らしいものだったからにほかならない。良い作品に出会えたことに感謝し、沈んだ気分を切り替えていってほしい。

この寂寥感は、とてつもない作品であった、という証明かと強く感じます。

本作は前作を超えたのか、そこは自分にはわかりません。もうこのレベルの完成度だと、どっちが面白く感じるのかは個人の好みの範疇になるかと思います。

ただ一つ客観的に言える事があるとすれば、もうすぐ50歳になろうという体力のないおじさんが、前作も本作も数日間ずっと夢中になって一気に遊んでしまうくらい、最高に楽しいゲーム体験だったという事です。

今は全く進めてなかったサイドストーリーを遊びつつ、来年配信予定の海藤さんの事件簿配信を待ちつつ、気が早いですが次回作がまたアーリーアクセスできるなら、今度はPVすら見ないで、迷わずデジタルデラックス版を予約しようかと思います。

スタッフの方々、素晴らしい作品をありがとうございました。

コメント

  1. ファルガイアの渡り鳥 より:

    記事作成お疲れ様です。
    嶽花征樹さんがロストジャッジメントの記事を書くほどゲームを楽しまれていたのが分かります。
    木村拓哉さん主演の作品で私が思い当たると作品といえばハウルの動く城やドラマの協奏曲でしょうか
    キムタクさんがモデルの主人公を動かせるの面白そうですな。

    • 嶽花 征樹 嶽花 征樹 より:

      木村拓哉氏主演といえば、個人的には『REDLINE』を推します(感想)。いつもと違ってかなり抑えられた演技かと思います。あとは映画館で上映中の『マスカレードナイト』が評判いいので、前作見てから臨もうかと考えているところです。

      ロストジャッジメントはキムタク氏を動かしてるだけでも面白いですし、いろいろな表情を見られるので、それだけでも楽しいですね。かなり多彩な衣装を着込んだりするので、普段とのギャップもすごいです。この記事だと伝わりにくいかもしれませんが、ストーリー展開が前作・本作どちらも素晴らしく、キムタク氏の熱演が素晴らしかったので、機会があれば是非遊んでいただきたいです。アクションの難易度もかなり簡単なモードを選択できるので大丈夫かと。

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