演劇の内容を描いた『α』と、演劇に出演した人々の様子を描いた『+α』が交互に収められている、という少しメタっぽい(?)構成になっています。
演劇の内容そのものも面白く、ジャンルも多岐にわたっててそれだけでも楽しめるのですが、それにまつわる人々の様子が次第に変わっていく『+α』の部分だけ読んでも面白いです。主人公の女性の演劇に対する思いや感覚が変わっていく様子が、単体の人間ドラマとしても読み応えがあります。
と思ってたら、実は雑誌掲載時はまず『α』だけが連載され、そのあとで『+α』が連載されていたらしいです。これだけの構成をすでに考慮しながら連載をしていたのだと考えると、お互いの内容がお互いを補完しあうような絶妙な構成力には驚かされます。一度普通の順序で読み終えたのなら、『α』と『+α』を独立して読み直してみると、また違った楽しみ方ができそうですね。
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