ラブロマ

ラブロマ 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

とよ田 みのる
小学館
2012-10-12

世の中にはいろいろなラブコメがあるとは思うのですが、こんな直球な恋愛模様は始めてかも。あまりにもストレートでまっすぐで、見ていて二人を応援したくなります。
俺は彼らの年齢の頃は、なるべく人前で感情を殺すことを心がけていたのですが、とあることをきっかけに逆に感情的になるように努力していたのを思い出しました。いや、感情的というよりは、くだらないプライドをいかに削っていこうか、という試みだったかもしれない。今も俺はひねくれた性格をしていますが、昔はもっとつけいりようが無かったのではないかと思います。
作中の若者達を見ていると、あの時なんでもっと若さにまかせて素直に行動できなかったのかな、としみじみ思いました。そういうぎこちなさというのは決して恥じるものではなかったのだと、昔の自分に会えるのなら伝えたい気分です。とは言え、言葉で伝わるようならそんなに苦労はしないわけですが……
彼らの姿はとても眩しく、だからと言って目を逸らしたくなるようなこともなく、穏やかな表情で見守っていきたくなる、そんな暖かさに満ちています。人は年齢を重ねるといろいろ変わっていくものだと思いますが、彼らには根っこの部分では変わらずにここままでいて欲しいなぁ、と思うのです。漫画の登場人物だとは理屈で分かっているのですが、そう思ってしまうのです。