鈴木みそ氏の『あんたっちゃぶる』や『銭』といった系統の作品が好きな方なら、是非とも読んでおくべき解説系マンガです。第一話の試し読みもできるので、気になったなら読まれてみてはどうでしょうか。
第一巻では電子書籍、第二巻ではゲーム会社、第三巻では表現規制について扱っており、いつもながら説明の仕方がうまい。具体的な数値なども混ぜてリアリティを高めつつも、よい塩梅に虚構要素を混ぜ込んできているので、どこからどこまで本当なのかが曖昧としていて、それが実にいい。
ヒロインのナナもクールなようでアツいし、媚びてないかわいさがあって実にいいキャラですし、ジンゴローのいつ死んでもおかしくなさそうな有り様とか、秘書の人の冷静なところとか、もうこの三人でどこまでも話が続いてくれればよかったのに、残念ながら全三巻で完結してしまいました。逆に言えば、今から手を出しやすいと言えますかね。
内容の面白さはかなりのものなのですが、紙媒体での売上が伸びずに打ち切りとなったそうです。電子書籍が売れても紙媒体が売れないとダメなの……?と思うと、最近になって殆どKindleでしかマンガを買わなくなってる自分は、業界に貢献できてないんだろうか……と少し不安になったりしますが、逆に電子書籍使うようになってマンガ購入費が明らかに増えたから、むしろ貢献してると思っていきたい所存。
電子書籍には読者・作者ともどもまだまだ明るい可能性が広がっていると信じたいところなので、ここらで明るい未来でも見せていただきたいです。具体的に言えば、続編が電子書籍オンリーで連載が続くとか、いかがなものなんでしょうか。あまり前例がないことだと思いますが、だからこそ鈴木みそ氏にまた何かやってみてもらいたいところです。
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