PR(記事内にアフィリエイト広告が含まれています)
スポンサーリンク
小説

崩れる脳を抱きしめて

崩れる脳を抱きしめて

崩れる脳を抱きしめて

知念 実希人
実業之日本社
2017-09-15

ここ最近はまったく小説のたぐいを読んでなかったんですけれど、久々にこういう伏線がはってあるミステリーを読んで、面白かったです。別に伏線をはってないと絶対ダメだというつもりもないんですが、個人的な好みとしては伏線回収される展開が好きなんですよね。現実ならともかく、創作物なんで。


ミステリー界のガラパゴスこと日本のミステリーだと、よくトリック重視で人間が描かれてないというのが弱点みたいに言われることも多いですが、本作はそういうこともないですね。人間模様も描きつつ、ちゃんとミステリーにもなっていて、それでいてすらすらと読みやすく、総じてバランスがいいです。優れたエンターテイメントというのは、水が流れるがごとくスムーズにページを捲らせてくれるものですね。
自分の場合、帯とかあらすじとか全く見ないで、フラットな気分で読めたのも幸いしました。事前にそういう心理的なハードルあげる煽り文句みたら、相対的にがっかりしていた可能性もありそうです。そう考えると、このコマを思い出してしまいますね。
それでも町は廻っている7巻
帯に読者の満足度を下げるような煽り文句であっても、これを書かないともっと売上が下がるんだという主張もあるかもしれません。とはいえ、この手の売り文句ってあまりにも陳腐で飽和状態ですし、本当にこの手の文句を信じて買う人っているんでしょうか。
利益率が高いという理由で映画館でポップコーンを率先して販売した結果、まわりの迷惑考えずにポップコーンを騒音たてて食べる人のせいで、それなりに映画館へ行く機会が減っている人もいるのでは、という話と通じるものがある気がします。
とはいえ、幸運にもそういうトラップに引っかからずに、素直に本作を楽しめて僥倖でした。最近はミステリー小説から離れ気味だったので、この作者さんのお名前を全く知らなかったのですが、他の作品も手を出してみようと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました