PR(記事内にアフィリエイト広告が含まれています)
スポンサーリンク
小説

ラバー・ソウル

ラバー・ソウル (講談社文庫)

ラバー・ソウル (講談社文庫)

井上夢人
講談社
2014-06-13

井上夢人氏の久々の新作長編という前情報のみで手にしました。読了後に帯に書かれていたであろう売り文句などを知ったのですが、ああいったものは見ないで読んだ方が無難だと思います。一冊でも本を売るためにああいった言葉を並べるのでしょうけれど、読者にとっては無用な期待が高まるので止めてほしいな、と思います。
井上夢人氏といえば、特定のジャンルにこだわらず色々なタイプの話をかかれる作家さんなのですが、今回は割とオーソドックスなミステリーでした。複数人物のインタビュー形式で進んでいきます。すでに何かが起こった、という前提でインタビューが進められるので「一体何が起こってしまったんだ?」という疑問と共に読み進めてしまいます。
オーソドックスとはいえ、なかなか構成が凝っています。ただ、ミステリーを何本も読み続けてきた身としては、そういった凝った構成の前には「何か仕掛けられていそうだ」と身構えてしまうものなのです。いつも無心で読もうと心がけているのに、本作に関してはそういう読み方ができず、読んでる最中に色々と真相について想像してしまいました。
今回に限っては、逆にそのせいで真相に気づかずに読み終えたので助かったともいえます。敢えて幾つか外れそうな予想をしておいて、それにこだわったまま読み進めると、いい感じに自分の中で意外性が出てくる、という自虐的ともいえる読み方ではありますが。
読み終えた後は面白いといえば面白かったんですが、少しアンフェアな部分があるかな、と思いました。同様の驚きをもたらした作品といえば、自分が昨年感想を書いた「べ」で始まる作品の方が鮮やかで、かつフェアだったので、少し残念に思います。あと、とある犯罪行為の描写が延々と続き、あまり急展開がない割にはページ数が多いので、その辺も残念でした。とはいえ、締めくくり方など、すごく好きな作品でしたけれど。
いつもはもっと面白くて、ページを捲る手を止められない、といった勢いで読み進めるような印象があったのに……と思って過去作品を思い出してみたら、この一つ前の長編作品『魔法使いたちの弟子たち』について感想を書いてなかったのに気づいたので、なんとか記憶を呼び起こしながら明日にでも書いてみます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました