とある系統の映画でよく名前に挙がってたな、と思ってたらAmazonプライムで無料で見れるとわかったので鑑賞。かなり面白かったです。事前情報を知らずに見た方が、より楽しめると思います。
ここからネタバレ感想になるので、鑑賞後の閲覧を推奨します。
意外な展開が待ってるという前情報って、ほんと不要な情報ですよね。まぁ今回の場合、自ら「意外な展開の映画**選」といったページで片っ端からチェックしていってたので、完全に自己責任なんですが。自分が嫌だなーと心底思うのは、パッケージやあらすじや予告編で意外な展開とか謳ってる系ですね。
本作の場合はそういう前情報も少しだけあっただけでなく、他の同様のオチの映画を見ていたせいか(具体的な名前は挙げません)、中盤あたりでは予想がついてしまいました。悪い人に見えない、詐欺師は騙されてはいけない、というセリフと貸金庫に二人で入るところで、これは「騙されるのは一体誰なのか」というパターンかな、と確信を持ってしまいました。
だからと言ってつまらないとは思わなかったんですよ。本来観客に驚いてもらいたいであろうドンデン返しよりも、いちばん予想外だったのは本作がハッピーエンドで終わる点ですね。
人を騙して得た大金はあるものの、良心の呵責からかアレルギーや異様な神経質さでまったく幸せそうに見えなかった主人公が、仮初めの家族と触れ合ううちに、自分が本当に求めていたものが何なのかを実感し、汚れた金が手元から離れた後に手に入る、ささやかではあるがとても幸せな風景。最後の『娘』との会話も憎しみは全く感じられず「くれてやったんだ」と静かに語るところは、かなりぐっときました。
同様のオチの作品はいろいろ見てきましたが、ここまで後味がよい作品はなかなかないと思います。最初は詐欺師の映画ということでイヤな感じで見てたのに、ここまで爽やかに終わってくれるとは、良い意味で誤算でした。
たとえオチがある程度バレてしまっても、それでも満足させるというのは凄いですね。自分の創作で、何人かはオチに気づくだろうなと思いながら作業していますが、それでも満足できるような工夫を、自分も施していきたいと思いました。
小さな子供の相手をしていると、意外と二時間のまとまった自由時間を確保するのがなかなか困難で、最近はあまり映画を見ていなかったのですが、久々に映画をみる楽しみというものを再確認させてもらったと思います。いい映画でした。
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