2014年ベルリン国際映画祭にて、金熊賞(グランプリ)と銀熊賞(主演男優賞)を受賞したミステリー映画ときいたら、なんか妙に期待して見てしまいました。韓国サスペンス映画の『殺人の追憶』や『殺人の告白』や『母なる証明』といった衝撃を期待しちゃうじゃないですか。
実際のところ、悪い映画じゃなかったんですが、こっちが勝手に期待してたものと違う感じでした。「なんか飛び蹴り全然出ないな」と思ってたら、実は韓国映画じゃなくて、中国映画だったので、まぁそもそも期待する点が違ってたのかもしれないです。
意外な展開のある衝撃的なミステリーではなく、人と人の繋がりを地味に描いた文芸的作品、とでもいえばいいんでしょうか。実際はミステリー要素もあって、それを軸に話は進んでいくんですが、全体的によい意味で地味で、中国の生活感とかをリアルに表現してたような気がします。
なんといっても、主演女優のグイ・ルンメイ(ウー・ジージェン)の幸薄い美しさが際立ってましたね。全然笑わないで不幸そうな佇まいが、なんか日本映画で北国ドラマとかに出てきそうな感じで、実に麗しい姿でした。
タイトルはおそらく、自分みたいに韓国映画の新作と勘違いさせるため、敢えてこの題名にしたんでしょうけれど、正直名前負けしてるし、雰囲気に合ってなかった気がします。だったら原題の『白昼の花火』の方がよかったのではないかと思いましたが、そうだったら自分みたいな人間が鑑賞することもなかっただろう、という気もするので難しいところですね。
韓国映画の名作ほどではないですが、悪くない作品だと思いますので、中国映画もこういう方面で更に昇華された作品がでるといいなぁ、と感じました。
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