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小説

『ギロチン城』殺人事件

“物理トリックの北山”という異名を持つ作者の作品ですから、タイトルからしてこれはもう豪快な物理トリックが待ち受けているんだろうなぁ!と読み始めたんですが、それはもう色々な意味で驚愕されられました(良い意味で)。

この前『その女アレックス』(感想)を読んだ時ぼんやりと感じてたことがあったんですが、琥珀色の戯言の方の感想を見て、自分が何を感じていたのかがはっきりとした輪郭を持ちました。

ただ、これを読んでいて思ったのは、ストーリーの「どんでん返しの技術」においては、われらが日本産ミステリというのは、もう、行きつく所まで行ってしまっているのではないか、ということでした。

そうなんですよね、シャーロック・ホームズを源流とした推理小説は、日本でガラパゴス化して異形の進化を遂げてしまったのではないでしょうか。その極北の作品の一つとして、本書を挙げてみたい。そう思うくらいにショックを受けました。これまたネタばれなしで何も書きようがないので、クリックしないと見れないようにしてネタバレ感想書きます。

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登場人物が数字になってる時点で、人間を描く気はないからトリック見てくれよ、と言われてるような気分で逆に清々しささえ感じつつ読みすすめました。

物理トリックを司る雰囲気作りのためにスクウェアといった儀式などもうまく取り入れてるんですが、それまでもが物理トリックのためのミスディレクションになってるのも上手いですし、物理トリック自体も豪快で凄かったです。

しかしなんと言っても一番衝撃的だったのは、犯人像ですね。現実的なミステリでは絶対に登場し得ない特異性、だがそれがいい。まさかセキュリティシステムの組み合わせとあんな連動させてるとか、想像もつきませんでした。

最初読み終えた時は、叙述トリックだと気づかないくらい呆気に取られてしまいましたが、いつもお世話になってるSAKATAMさんの解説ページを開いた時、やけにスクロールバーが長いなぁ?と思って読み進め、実はあんなに凝った叙述トリックを炸裂させてたのか、と気付いた時の衝撃ときたら。

読者にも登場人物にも、同時に騙し絵を描いていたとは……

リアリティがない? そんな作品読みたければ、海外作品だけ読んでりゃいいじゃない。パンがなければケーキを食べればいいじゃない。

いやもう、日本に住んでてよかったと心の底から思いました。こんな衝撃、日本語読めないと味わうことが出来ないよ?

それにしても、本当に密室トリック考えるのが好きで好きで仕方がないんでしょうね、この方は。ただ、そのトリックを活かすための舞台や雰囲気作りが毎回大変そうですから、そういう意味でいうと『ダンガンロンパ霧切』シリーズのあのシステムが生み出されたのは必然的なのかもしれません。

『城』シリーズも、『ダンガンロンパ霧切』シリーズも、そしてそれ以外も、とにかく北山氏の今後の作品が楽しみです。

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