自分はテレビ版を視聴したんで、映画版は見てなかったんですが、突然まみりんが「面白いらしいから見たい」とかいいだしたのです。まみりんは俺みたいなオタクじゃないので、なかなか同じものを見る機会が少ないんですが、ネットでよく名前が出てくると思った矢先に近所のTSUTAYAで準新作100円キャンペーンしてたので、好奇心が背中を押されたらしい。
「あー、面白いから確かにこの機会に見ておけば?」
「でもあーちゃんが居ると、なかなか見る時間ないしねー」
「じゃあ幼稚園行ってる時間帯に見ればいいんじゃない? どっちも2時間ずつくらいあるから、2日に分けてみればいいかなー」
「ダーリン、じゃあ借りてきて」
「え」
「もう寒いから外出てくるのイヤなんだけど」
「はい」
そして俺がTSUTAYAからレンタルして帰ってくると、まみりんはと全く心がこもってない単調な「ありがとー」という言葉とともに「なんか子育てしてて疲れてるとさー、残酷な話とか更に疲れてくるから苦手なんだよねー」とか言いやがります。え。
わざと言ってるのかと思ったら、なんか素で普通に話してるし。たぶん見た目の柔らかな絵柄で誤解してるみたいです。逆に言えば、全く事前情報がないまま鑑賞する、というこれ以上ないくらいまどマギを味わえる状態じゃないですか、まみりんさん!
と思ったので、まみりんの言葉には大した反応もせず、「だよねー、疲れてるとねー」と毒にも薬にもならない言葉で実質スルーし、アレ見てどんな反応するかドキドキしたまま幼稚園のある月曜朝を迎えるのでした。
そして月曜日、幼稚園が終わる寸前の夕方、一通のメールが。「なんでこんな酷い話って事前に教えてくれなかったの?!」と罵倒されるんだろうかとドキドキしながらメールを開いてみると……
「マドカ前編見た。えげつないね!面白いね!」
あのくらいの残酷さでは足りぬと申されますか、まみりんさん。その場には居なかったけど、目をキラキラさせて嬉しそうに不謹慎な笑みをしているのが目に浮かぶようです。
とりあえず息子も帰ってきたし、その日は会社で会議があって、俺の帰りが遅いから息子の相手もできないということで、後編は明日の昼間にゆっくり見るとのこと。
そしてよる10時半すぎに帰宅すると、家の中は真っ暗で出迎えもありません。もう寝てしまったのかと思ったら「叶えてよ、インキュベーター!」という声がしてきたので、ああそのシーン見てるのなら夫が帰ってきても無視せざるをえないよね……と思いつつ、まみりんをそっとしたまま出張の準備をしたりして鑑賞が終わるのを待つことにしました。
「面白かったよー」
「よかったね」
「子供の頃に見てたらトラウマになってたよ、よかったー」
「よかったね。にしても、明日の昼間見ないで、今日見終えたんだ」
「だってさー、続きが気になるしさー」
「あーちゃん寝てくれたんだ」
「うんにゃ。起きてたけど、見始めた」
「え。あーちゃん、暴れなかったの?」
「マリオのDVD見るのかと思ったら映画だったから、しきりにマリオDVD指さして『ここにあるじゃん!ここにあるじゃん!』って言ってたから、『あー、はいはい、ここにあるねー』って言いながらそのまま映画見てたよさ」
まどマギに負けないくらいのえげつなさがここに。その場には居なかったけど、まみりんが鼻から声だすように喋ってたのが目に浮かぶようです。得意技は挑発、大Pと大K同時押しとかしないでも、ただ普通に話してるだけでだれでも不機嫌にさせる、それがまみりん。
「え。あーちゃん、怒らなかったの?」
「なんか不満そうだったけど、映画見てたら退屈だったのか、すぐ寝ちゃったよ」
「え(あんた、さっき子供のころに見たらトラウマになってたー、とか言ってたやんか)」
「でさー、あの小動物、最初から怪しかったよねー。あの発言は酷かったけども、支配者と奴隷の会話ってあんな感じなんだろね。前に読んだ『ミノタウロスの皿』思い出したよ」
「藤子不二雄といえばドラえもんとかもいいけど、ブラックなのも面白いからオススメだよねー」
「ダーリン、誰に向けて話してるの」
「確かに、言葉は通じるけど話が通じない感覚、ってのは『ミノタウロスの皿』にそっくりだよね」
「でしょ〜。でさー、テレビ版ってマミさんは活躍したの?」
「うんにゃ。大体同じ扱いだったよ」
「えー!」
まみりん的には、まどマギ一番の驚きポイントがそこだったらしい。何はともあれ、普段アニメとか見ない人の感想は新鮮でよかったので、今度は『FATE/ZERO』や『サイコパス』でも薦めてみて、反応を楽しんでみようかと思ったりしました。
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