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ニンテンドー3DS

タイムトラベラーズ

『428』を作ったイシイ氏の新作ということで期待して購入しました。システム的にはかなり『428』に近いものがあるので、ああいった群像劇が好きな人なら購入してもよさそうですけれど、残念ながら『428』ほどは人に薦められないかも、というのが率直な感想です。
こういう言い方をすると誤解を生みそうですが、最初からグイグイと話を引っ張ってく吸引力があったのは本当に凄かったです。やめ時が見当たらなくて、ついつい続行してしまうような感覚は久々でした。作中の1時間を進めたら、『428』みたいに予告編が挿入されるので最初は毎日一時間おきでやめとこうと思ってたんですが、終盤あたりになったら我慢できずに寝不足になりながらもエンディングを迎えてしまいました。
キャラクターの魅力もなかなかのものです。実写に比べるとアクが強くない、という点はあるかもしれませんが、声優さん達はなかなかの熱演だったかと思います。飄々とした新道博士や、敵役で出てくる社長なんかは、癖のある人間性がよく出てたかと思います。欲を言えば、ヒロインのみことのポリゴン造成がもう少し可愛ければ、とは思いましたが。公式のイラストに忠実だったら良かったのですが、なんで肝心のヒロインが一番ポリゴン化に失敗してるんでしょう。はすっぱな所とか魅力的ではあるんですが、ねぇ。
音楽もよかったですね。特に新道博士のテーマが好きなので、動画にしてみました。このシーンを選んだのには他意はありません。ありませんってば。篠原君、きみは最後まで本当に優秀な助手だったよ(色々な意味で)!


ここまで褒めておきながら、何故薦めにくいのか。理由は明らかです。本編が短いのです。自分の場合は11時間でクリアしてしまいました。プレイ時間の水増しをはかるようなことがなく、かなり充実した濃厚な時間が過ごせるので、単純に短いというのもどうかとは思いますが、やっぱり10時間というのは短かった気がします*1
あと短く感じた要因としては、親切すぎたのではないか、という点です。文章メインではなく肉声メインで進み、選択肢で失敗しても殆ど直前の選択肢を変えれば済むだけで事足りますし、失敗した後のヒントとかでご親切にもどこを選べばいいのかまで出てきてしまいます。5つのシナリオがあるものの、試行錯誤して読み進めていくような歯ごたえを意図的に消したのではないかと思います。そのため、サクサク進みはするものの、実質的に一本道と感じられてしまいます。プレイングシネマと言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、プレイングというよりは見てるだけに近いです。
ライトユーザー獲得のためにそうしたのではないか、と予想していますがそれが効果的になったかは売り上げを見たら一目瞭然な気がします。作品は名作とまではないかなくても良作だと思いますので、さすがに売り上げが伴ってないかな、と。熱意的なファン以外にも売っていこうとする、企業努力などが足りなかったのかもしれません。
なんかえらく文句が多くなったな、と自分でも驚いていますが、その原因ははっきり分かります。クリア後のおまけ要素です。あれをプレイする前、本編クリア後は物凄く満足していました。本編クリア直後にクラブニンテンドーのアンケート答えた内容は絶賛だったのですから。それなのに今現在は、あのおまけ要素の存在だけでここまで心境が変わってしまいました。ある意味希少な体験をしてしまったかもしれません。
ここからはネタばれ満載で感想を述べてみます。

これだけ文句言っておいてなんですが、売り上げがコレだと今後も厳しいと思うものの、地元福岡の企業が作っているという贔屓目もあるし、イシイ氏の作品がどれも好きだったので、次回作も何とか作ってもらいたい、頑張って欲しい、という想いはあります。
またイシイ氏の作品が出たら、おそらく今回の反省を活かして凄いゲームを作っていただけるであろうから、絶対に買います。願わくば、買った後ですぐ売るような気持ちにならない、ずっと手元においておき、大きくなった自分の息子に遊ばせたい、とまで思わせてくれるような作品が発売されることを祈っています。『428』や『金八先生』に続き、大事に保管している作品の仲間が増えることを。

  • 注1 : とはいえ、PCゲームの『魔法使いの夜』も同じくらいのプレイ時間なのに満足度が高いらしいので、自分も実際にプレイしてみてどう感じるか確かめてみたいところではあります。10時間前後でもフルプライスのゲームに人は満足できるのか、を。

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