作者の東川篤哉氏は最近ドラマ化などで話題になっていて、会話シーンのセンスなどがいいらしい、といった世評で気になっていたんですが、そんな方が密室トリックを書かれているとなると、気にならないわけがないじゃないですか。
そういう経緯で前知識無しで読んだんで、こういう事を書くにもどうかとは思いますが、この作品の当時はまだ文体やユーモアなどが洗練されきっていなかったかな、と感じました。なんかこう、悪い意味で昔の雰囲気というか。嫌いじゃないんですけれど、こういうユーモアは時代ってものがあるのかもしれません。
肝心の密室トリックの方ですが、マニアな方なら分かっちゃうんでしょうけれど、運のいいことに自分は最後まで気付かず楽しめたんで、そういう点では満足しました。密室トリックが別の意味(橋が架かることにより、全貌がわかる)を持つ点なども良かったですね。
この方は他にも密室モノを書かれていて、そちらの方が評判がよい(しかもユーモアの点でも)みたいなので、そちらもそのうち手にしてみたいと思います。
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