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ニンテンドーDS

真・女神転生 STRANGE JOURNEY

最初にパッケージを見た時は「大丈夫なんだろうか? このシリーズを知らない人は無視しちゃってない? 一見さんお断り的なノリになって、売れてくれるんかいな?」と心配だったんですが、世間の評判は良かったみたいで一安心です(パッケージではなく、ゲーム本体の)。
通勤時間の合間にプレイしてる状態なので、まだクリアはしてないんですが、とりあえず今のうちに感想を書いておきたくなったので、20時間ほど楽しんでみた印象を書き綴ってみます。


とにかく操作性がいいですね。細かいところまで実に丁寧に作りこまれていて、長時間プレイが苦になりません。中断セーブがないのだけはマイナスですが、その代わりなのかセーブファイルは2つになっていますし、セーブやロードも遅くないので全く問題ないです。
戦闘は過剰な演出もなく、とにかくスピーディさ重視でサクサク進み、ストレスが皆無です。とは言え難易度は高めで、油断するとすぐに殺されてしまう緊張感はありますが、意外とセーブポイントは設置されてて親切なので、じわじわと行動範囲を広げていって探検していく、といった醍醐味が得られる絶妙なバランスとなっていますね。
説明書も見ないでプレイし始めたので、最初は敵の姿が全く分からないのが驚きました。ウィザードリィーみたいに、最初は正体不明の敵としてしか相手ができないのです。だから弱点なども想像がつかず、最初に会う敵と戦う時は緊張感があり、色々な属性の魔法を当てて様子を見てても、不意の一撃で主人公が死んで即ゲームオーバーってことも珍しくありません。怖い怖い。
雰囲気やシナリオも独特で、音楽もハードロック調ではなく荘厳な感じで、全てがあいまってなかなか類を見ない重厚な佇まいです。絵的には敢えて淡々と描写されているんですが(真・女神転生のIやIIに近いですね)、目の前で繰り広げられる会話やイベントはかなり残酷だったり考えさせられるものが多いです。たびたび主人公は選択を迫られ、秩序を重視したスタンス(ロウ)になるか、混沌を重視したスタンス(カオス)になるか、中立を重視したスタンス(ニュートラル)になるか、思い悩まされることになります。
シリーズではおなじみのスタンスですが、戦闘でもかなり重要になりました。パーティに呼べる呼べないという判定的なステータスではなくなり、敵の弱点を突いた時に同じスタンスの者だけが追加攻撃ができる、というデビルCOOPという戦闘要素にも関連してきます。そのため、できるだけスタンスを揃えたパーティを作るようにする、といった戦略が生まれてきます。
スタンスを違う仲魔をいれることはシステム的には可能になったけど、メリットが得られなくなるかもよ、という調整になっているのが秀逸ですね。場合によってはスタンスの違いを無視してでも、特定のスキルをもつ仲魔を引き入れておく方が有用な場面もあったりしたので、いろいろとパーティ内容を悩むのが楽しい限りです。仲魔どうしを合体させて、うまくスキルを継承させた仲魔を作り出し、スタンスや弱点も考慮しつつ癖のあるボス達に挑み、うまく撃破出来たときの喜びは大きいですね。
どのくらい完成度が高いかというと、『真・女神転生4』という名前でないのが不思議なくらいです。今の時期、これをやらずに何をするんだ?と言い切ってもいいくらいの近年稀に見る傑作です。
とりあえずこのシリーズがまだ、って方は入りやすいと思います。3Dダンジョンものですが、オートマッピングも充実していますし(とはいえ、後半になってくるとそんなに楽もできないですが)。
戦闘が単純で面倒で冗長なRPGは苦手という方。最近のRPGはどれもこれも似たような勧善懲悪もので飽きてきたという方。適当にレベルを上げて適当に敵を倒すだけなので、あまり考えずにダラダラなるだけだからRPGがつまらなくなってきたという方。DSで面白いRPGが見当たらないという方。大人向けのゲームをやってみたいという方。そういった方たちに本作を強くオススメしておきます。

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