以前当サイトで感想を書いた『秒速5センチメートル』の監督が自ら執筆された、小説版*1です。
映画版と比べると話の大筋は変わっていないんですが、細部で意図的に演出などが変更されていたりします。また、映画版では説明を省いたつくりの第三話が、細かいところを補填するような作りになってるので、個人的には映画を見てから小説を読むのがオススメですね。とはいえ映像と音楽・文章の表現スタイルの違いが見えるような作りになってて、お互いがお互いを補填してるように思えるので、実際はどっちから楽しんでも問題ないとは思います。
DVDじゃなくて映画館で鑑賞したので、かなり久しぶりにこの世界に戻ってきたという懐かしい感覚を持ちつつページをめくっていきました。あの一瞬の演出で描かれていたのはやはりこういう意味だったんだなぁ……とか、映画では触れられなかった手紙の内容がいいなぁ……とか、人と人の思いって難しいよなぁ……とか色々なことをしんみりと思いつつ読了させていただきました。
あまり結末など詳しいことを言うわけにもいきませんが、映画版を見て悲しい気分になった人は、小説版も手にとっていただきたいですね。読んでよかった、と思っていただける筈ですから。
- 注1 : 月刊ダヴィンチで連載されたものが一冊にまとまった形になります。
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