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映画

A.I

世評は割と良さげで観客動員数も相当のものだったらしいのですが、個人的には見るつもりはなかったのです。けど妻がどうしてもと言うので最初に見てみました。
見終わったら妻が泣いてました。「可愛そうな話、最高!」と言いながらティッシュで鼻をかんでる様子を見つつ、自分の中で感想を反芻してみます。
面白いと言えば面白かったんですが。主に映像的な演出とか子役の演技力とかを楽しみました。が、なんかこう入りこめませんでした。何が個人的に合わなかったのかなぁと思ったんですが、「宇宙時間ってなんだよ、一日だけって何それ」というのが第一位かな、と。あとけっこう他にも都合がいい展開が起こったりしてオイオイとか思ったりしたのが次点。まあそんな細かいところを気にするよりも、大筋をもっと楽しむのがあるべき姿だとは思うんですが、気になっちゃったんで仕方ない。
結局のところ僕は本作を分析的に見てしまってたようですね。学生時代、創作が趣味だった時期、なんでもかんでも分析的に見ようとする(そのくせ大して分析はできてないわけですが)せいで、心の底からモノを楽しめないなぁと痛感していたことがありまして。本来的には一度目の鑑賞は何も考えずに楽しみ、二度目はノート片手に何が面白いと感じたのか(何が面白くないと感じたのか)、自分なりに咀嚼するのがいいんでしょうけど。そういうのが嫌になって、なるべく先入観を無くして頭を空っぽにして楽しみたいと思ってきたはずなんですけれど、結局こうなっちゃっいました。なんの悪い病気なんでしょう。万能結論で言えばこれはもはや、性(さが)ですか。
性と言えば、とある映画の小話を思い出しました。サソリがどうしても毒針で刺してしまう、という一節。あの映画は面白かったですね。いい意味で展開の予想がつかなくて。たしかアカデミー脚本賞だった筈。これから脚本賞の映画をかたっぱしから見てみようかな。 もちろん何も考えずに頭をからっぽにして。

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