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映画

CUBE

正常の反対とは?
異常の反対は正常?
異常の反対の反対は異常?
異常の反対の反対は反対は正常?
延々と繰り返される問答
片目を閉じながらそれを認めたとして、
次の問題は既に瞼の裏に忍び寄っている
何処に境界線を引く?
こんな時に思い出すのは、ディスティ・ノヴァの言葉。
この世に正気と狂気など無い。
あるのは一千の貌(かお)の狂気だけです。

僕は映画雑誌を見ない。
この世に事前情報ほど恐いものがあるかい?
だからいつも直感だけで見る映画を決める。
当たる時もあればはずす時もある。
しかし、このポスターを見た時、確信していた。
これはとんでもない作品だ、と。
その時の背中の震えは忘れ得ない。
見終えた時の震えも。
異常な設定も。
異常な空間感覚も。
異常な閉塞感も。
異常な緊張感も。
それらから抜け出した時の開放感も。
そして奇妙な名残惜しさも。
あまり多くは語らない。その必要もないだろうから。
このポスターだけで、戦慄が走るのには充分だ。

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