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日記

緊急の電話

まみりんが会社から帰るときには電話をしてもらうようにしています。けっこう遅くまで残業が多いので、帰る頃に晩御飯を用意しないと冷めちゃうからです。
今晩はまみりんが希望してた、ちりめんじゃこチャーハンとサラダでも作ろうかね。野菜を切ったりと前準備だけしておいて、あとはまみりんの帰りを待つだけです。なのですが、10時を過ぎても連絡がありません。いつもは8時過ぎには連絡が一度はあるのに……
心配しながら待ってたら、11時過ぎに電話がきました。
「ダーリン! ダーリンッ!!」
電話が来たので無事だったと安心したのもつかの間、いつになく真剣に慌てた声のまみりんの気迫に押され、俺も自然と早口でどなるように話していました。
「どうしたのっ?! こんな夜中になるまで何してたのっ?! なにかあったのっ?!」
「大変なのっ!!」
「何があったのっ?! 今どこにいるのっ?!」
「かつおぶし!!」
……はぁ?
「……俺の聞き違いかもしれないけど、かつおぶし、って言った?」
「かつおぶし!! かつおぶし!!」
変なサイトの見すぎでついに気でも狂ってしまったのだろうか。
「ダーリン、かつおぶし、家にないの?!」
「かつおぶしは買ってないけど、他の魚ならあるよ」
「じゃあそれ持ってきて!!」
「どこに持ってけばいいの?」
「家の一階に居るから!! 早く!! 居るから!!」
……はぁ。
すっかりトーンダウンして一階に行くと、にーにーと子猫の声が聞こえてきました。あー、なるほどねー。
「この家に引っ越してきて、初めてこねこと会えたんだから!! だから!!」
「いいから落ち着け。ほら、コレ」
チャーハンに使おうかと思ってたちりめんじゃこをまみりんに渡すと、一瞬すごい目つきで俺をにらみましたが、結局こねこに少しずつふるまってあげてました。よっぽど自分でちりめんじゃこ食べたかったんだね……つーか、こねこに一つまみあげたら、自分で二つまみ食べてるじゃんか!
やたらとにへらにへら笑って上機嫌のまみりんを見て、確信を持って言いました。
「また飲めないお酒ばっかり飲んで……」
「わたしなんてどうなってもいいの!」
やっぱり飲んで帰ってきてたか。テンション高いわけだ。
そしてちりめんじゃこが無くなってこねこもどこかへ行ってしまったので、二人で自宅へ戻ってきました。
「ダーリン、今日の晩御飯はなぁに?」
「ちりめんじゃこが無くなったから、ただのチャーハン」
「えーっ!! なにそれー!! ちりめんじゃこのチャーハン、楽しみにしてたのに! もう飢え死にするかも! ダーリンはわたしがどうなってもいいの?!」
そして24時間スーパーに行ってちりめんじゃこを買って帰ってきたら、まみりんのいびきが聞こえてきたので一人でちりめんチャーハン作って食べました。

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