オーブンレンジは魔法の箱

この前オーブンレンジを買ってもらってから、まみりんが料理にはりきってます。今まで作れなかった分、色々な料理を作ってみたいようです。今日なんか秤を買ってくるように頼まれたくらいです。というか今まで我が家に秤が無かったのだと
「まみりん、今日ははりきってるみたいだね」
「今日は、じゃなくて今日も！　いつもはりきってるよ！」
「無職って気持ちイイ！とか言ってる人が何をあー、ごめんごめん。そうだねー、まみりんはいっつも頑張ってるよねーこたつで寝ることとか」
「でしょー」
「で、今日の晩御飯はなに？」
「ケーキ」
「は？」
「だからケーキだって」
「マジで？　他におかずとかないの？」
「ないよ」
ここで議論をしても解決に繋がらないのは毎度のことなので、とりあえずまみりんが作り上げる料理の行く末を見守ることにしました。そして30分後。できたよーと言われたので居間に行くと、珍妙な物体が置かれていました。
「何というか、独特の形だね……ケーキの概念を超えた、と言うか……」
「なによー、ケーキの型が紙だったのが悪いんだってー」
写真に撮ろうとしたら脅迫をうけたので撮影できなかったのが残念ですが、これを一目でケーキと断言できる人はいないでしょう。いやむしろ、何か他の物体にそっくりな気もするんですが……
「ああ、分かった。ライクライクだ。」
「は？　何？　ライクライクって？」
「ううん、なんでもない。なんでもないよ」
さいわいまみりんが何のことか分からなかったのでその場で怒られるのは免れました。まさかこんなん扱いされたと知ったらただじゃすまなかったろうなぁ。