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漫画

FLIP-FLAP

FLIP-FLAP 漫画

メタリックなカバーが数あるマンガの中でもかなりお気に入りだった『FLIP-FLAP』ですけれど、このたび作者のとよ田みのる先生自ら電子書籍化されたので、紙版持ってるのに速攻で買ってしまい、興奮のあまり家にある全デバイスで再生したりしました(ちなみにテレビには、PCからHDMI出力してます)。

こうして改めて見てみると、少し前と違ってタブレットやスマホでなくても、PCのみでもKindleの閲覧が出来るようになったのは大きいですよね。鑑賞の環境が多彩になり、導入費用がかなり抑えられるようになったので、これから電子書籍を初めようという方にも敷居が低くなったかと思います。

紙版との違いと言えば、登場人物紹介が増えてたり、雑誌掲載時のカラー原稿になってたり、おまけページが追加されてたり、といったところですね(詳しくは作者の方のブログをどうぞ)。なお一部誤植があったそうなので、ここ数日の間にダウンロードされた方は再ダウンロードされてみてください。何度か誤植の再修正がはいったのを見て思ったんですが、電子書籍化ってほんと大変なんだろうなぁ、と。でもすぐに対応して再アップロードできるっていうのは、電子書籍の良いところだと思います。

電子書籍化にあたって、ちゃんと裏表紙のマンガも収録されてるので、電子化によって失われたものはありません……ほぼ。ほぼ、と表現したのは電子である以上どうしようも無さそうな点なんですけれどね。普通の電子書籍化に比べたらサービス旺盛な作品なので、重箱の隅程度にとらえてください。

まず一点目は帯がないこと。そりゃそうなんですけれど、というか帯付きの電子書籍とか見た記憶がないし。もし帯の電子データが無くて泣く泣く諦められた、とかいう事情なら自分がスキャンして送りつけたい! とはいえ、帯そんなに欲しがる人いるのかが良く分からないのも確か。気にしてるのは自分だけかも。

二点目は見開きページに1ドットくらいの白線が入った状態になってること。でも紙版で見直すと、そもそもその部分が見れないところなので、今回電子化によって初めて見れるようになった部分のところですし、見開きの絵がずれてるといったわけでもないですし、むしろ1ドット程度の線で済んでるのは他書籍に比べると優れてるといえるのかもしれません。ツイッターでアップした見開きページですけど、実はあれも線が入ってるんですが、あの画像だけ見ると分からないから、まぁその程度といえばその程度ですね。逆に言えば、まったく繋ぎ目なしに電子書籍で見開きやってる作品は、かなり頑張ってるのかな、と。

三点目がどうしようもない点なのですが、表紙のメタリックなキラキラ感はさすがに無くなってました。このため、表紙デザインなどが微妙に書き換えられてます。ちなみに紙版がどんだけキラキラだったかというと、こんな感じです。

表

敢えて帯を外して、キラキラしてる部分に写り込ませてみました。

開いてみたところ

おじいちゃんの顔がクッキリ写りこんでる!

他に違いといえば、実はあと一点あります。作者の方も存在について言及されてますね。

ラスト近くワンシーンだけいつも読み直していてこうネームを変えた方が良かったなと悔いあった部分があったのでそこだけネームとキャラの表情程度修正しました。

これについては自力で探されたい方もおられるでしょうから、ネタバレ防止のため、クリックしないと見れないようにしておきます。

クリックでネタバレ画像を表示

ラスト近くということなので、最終話から差異がないか見比べたら、最初に発見したのがこちら(左が紙版、右がKindle版です)。

紙版 Kindle版

でもこれだと表情が変わってないしな……と思って更に探してみたところ、おそらくこのシーンみたいですね(上が紙版、下がKindle版です)。

紙版

Kindle版

この一コマだけみると「え、良くなったの?」と思われるかもしれませんが、この前後のシーンとあわせて読み返してみると、Kindle版の方が味わい深いですね。山田さんの表情の違いもあいまって。

はっ、ここまで全く漫画の内容に触れてなかった! 

このブログ読んでるような人間なら『FLIP-FLAP』読んでて当然じゃん?くらいの前提で書き進めてましたが、落ち着いて考えるともう7年前の作品ですし、あらためて内容にも触れてみますです。

どんな漫画かといいますと、世界初(たぶん)のピンボールラブコメです。ラブコメではあるんですが、主体がピンボールによってるかな、といった感触です。恋愛がきっかけでピンボールに触れた主人公が、次第にゲームの内容に魅せられていき、仲間と過ごしていく過程が、実にいい。

いろいろいいシーンがあるんですが、一番印象に残ったシーンを挙げるとすれば。何かを好きになり、夢中になり、追求していった結果、遂に「やっと静かになった」領域へ達した瞬間。あのシーンの描写には心が震えました。

この漫画を読むとピンボールがしたくてたまらなくなりますね。コンピューターゲームのピンポン玉みたいにボールが軽々と動くようなのではなくて、少し重いボールを打ち上げてる、あの感じをまた味わいたい。

そう思っても、最近は昔ながらのゲームセンター自体も次々無くなっていき、ピンボールを設置しているところが少なくなってきているようで、時代の流れとはいえ寂しい限りです。息子に一度は本物のピンボール遊ばせてあげたいから、思い切っていつか東京のミカドに連れてってあげてみたいなぁ。

ゲームに夢中になるということは、何か見返りがあるわけじゃないし、誰かがホメてくれるわけじゃないし、意味がなく空しいことじゃないのか。

そう疑問を持つようなら、是非この作品を読んでみてください。

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