はっきり言って、俺はプロレスには興味がないです。嫌いか好きかではなく、見ようという気が起こらないというレベルです。そんな俺がプロレス漫画を薦めるとはこれいかに。
プロレスを批判する時の決まり文句として「なんでロープに振られたら、わざわざ相手に自ら戻ってくるの?」と言う流れがあると思います。最近の瞬時に終わってしまうK1などの試合を見ていると、それが様式美というか観客を楽しませるルールだからではなかろうか、と感じるようになってきました。デッドボールをされたら監督が文句を言うか、ぶつけられた選手がピッチャーに殴りかからないといけない、という意味合いでの(たぶん違う)。
しかし本作を読んでると、そういう思いは些細なものでしかない、と思わされました。プロレスにはまるで詳しくないので個人的な想像にすぎませんが、この作品にはプロレスの熱さや面白さに満ち満ちているのではないか、と感じます。こういうものを求めて観客は訪れているのだろうな、と。
特筆すべきは熱いプロレス魂をきちんと描きつつも、キャラクターの魅力、先が読めない展開、ほどよく挿入される笑い、といった漫画としての面白さがかなり高いレベルにあるところです。作品中で一人生真面目な主人公レスラーが、周りの人間にどんどん振り回されていって、思わぬ展開になる様がたまりません。特にアントニオ猪木がモデルと思われるマーベラス虎嶋の魅力はかなりのものです。こんなお茶目な大人、見たことない。現実世界にこんな上司がいたらたまったもんではないですが、はたから見てる分には最高!
今現在コミックスが4巻まで出てますが、これらを読破すれば週刊スピリッツ誌での連載にほぼ追いつけますので、今からでも遅くはありません。一緒に連載でこのストーリーを追いかけていってみましょう。
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