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映画

シュガー・ラッシュ:オンライン

シュガー・ラッシュ:オンライン|映画|ディズニー公式
見に行く前は、あの『シュガーラッシュ』の続編ということもあり、完成度が高かったあの前作からうまく続編が作られるんだろうか、という不安もあったんですよね。今年のはじめに、個人的にちょっとどうかと思うような続編を見てしまってたので、なおさら不安になります。出演者のオファーがうまく取れなかったから、とりあえず前作の登場人物は殺してしまおうか的なノリで、前作へのリスペクトとかも感じられなかったんですよね……まさかあんな酷いことになるとは……
そういうこともあり、続編は本当に作るのがいろいろな意味で難しいんだろうな、というところもあったのですけれど、本作を見はじめて数分後にはそういった不安は早々にかき消えました。これは絶対面白いに違いない、と思わせるものがあり、その予感どおり最後まで親子ともども存分に楽しめました。実は息子と初めて一緒に映画館に行ったんですが、記念すべき映画体験がこの作品でよかったです。


とはいえ、息子にとっての最初の映画館ってわけではなかったんですけれど。パパを置いて鹿児島に帰省した時、お友達と一緒に映画館に行ったらしく、暗くなったら「わーっ」と騒いで静かにするように言われたり、ポップコーンをみんなで食べて楽しそうにしてたらしくて、今回の映画に行く際にも「ぽっぴこーん、たべたい」とニコニコしながら言うのでした。
いっぽう自分は、九州でポップコーン嫌いな上位10名に入るくらいの、ポップコーン最右翼だったりします。もし選挙に立候補したら、映画館からポップコーンを無くすのを公約にするくらいの勢いです。近年だと『シンゴジラ』(感想)のときが特に酷くて、せっかくの名作がポップコーンの騒音で台無しにされました。ポップコーンは利益率が高いから仕方がないんだとか宣うマニアどもは、一生映画館で隣の席でポップコーンを食べ続けられる呪いにかかってしまえ! 液晶ドット抜けは故障じゃないと言い張る連中、お前らも呪われろ!
と言うくらいにポップコーンを憎んでいるので、それを一緒に食べたいと息子に言われた日には、あたかもイスラム教徒の人が豚を食べようとする前の心境とでも言おうか、千利休が抹茶ラテを作らされる心境とでも言おうか、かわいい息子とはいえあの悪魔の食べ物を欲するとはいかなるものか……と思ったんですよ。
でもまぁ映画館に実際に行ったら、普通に買ってましたけど。チョコとバターの二種類楽しめるポップコーンを、息子に言われるがままに(これで千円もするのかよ、利益率ほんと高そうだな!とか内心文句言いつつ)。
まぁ買ってしまったものは仕方ないので、息子に言い聞かせました。映画が始まってポップコーン食べたら、うるさくてまわりの人に迷惑になるから、映画が始まる前のCMのときだけポップコーンを食べようね、と。息子もニコニコしながら「うん、わかった!」と言うので、この作戦で行くことにしました。
CMが終わるまで親子でポップコーン食べて、それでもかなりの量が残ってるので「あとは終わってから食べようね」と息子に言っておいたんですが、映画終わってみたら空っぽになってて驚きました。え、あの量を一人で食べたの? そんなに音もしてなかったけど? まぁ逆に言えば、まわりの迷惑になってなかったようでよかったです。というか、朝一番の会に来たので、かなりガラガラだったのも幸いしたのかもしれません(次の回は昼過ぎだったので、かなり人が並んでました)。
えーと、何の話でしたっけ。そう、シュガーラッシュ・オンラインの話ですよ。大まかに言うと、前作の登場人物もきっちり大事にしつつ、新たな物語展開を盛り込んでいて新鮮味もあり、続編とはこうあるべきだという作品に仕上がってて良かったです。
とはいえ、人によっては受け付けないところもあるかなー、と思ったのも事実です。清濁あわせ飲むような作りになっていて、底抜けに明るいだけでなく暗部もきっちり描いているあたり、良い意味で少し大人向けな印象を受けました。そういう意味で野心作とも感じます。
あんまり素直なアニメ映画見るつもりではなかった自分的には、最高だったんですけれど、後ろの方で赤ちゃんが怖がって泣いてたりしてたみたいなので、無理もないかも……と思ってしまいました。まぁ劇中は常に大音響だったので、ほぼこちらには聞こえてこなかったんですけれど、映画館が明るくなって後ろをみたら、そういう光景が見えてしまった的な。
自分としては一人の父親として、この映画を息子に見せて良かったと思っています。素直に作品としても面白さがあったというだけでなく、今は意味が分からないかもしれないけど、後から見直すといろいろ発見や思うところが出てくる奥深さがあると思ったからです。
特にネット世界の描写が秀逸で、息子にインターネットとは何かを口頭で説明しようとしてもうまくいった試しがないんですが、この映画を見たあとなら、なんだかもう少しうまく説明できそうな気がします。現実の内容をうまく演出して(少しは作品としての嘘な部分も混ぜつつも)子供にもわかりやすい見せ方が抜群だったと思います。
このあたり、週刊少年ジャンプで最近新連載になって悪い意味で話題のハッカーマンガと比較してしまいました。別にリアルなだけで作品が面白くなるかというとそういうわけでもないと思うので(アリの観察日記と男塾、面白いのはどっち?)、作品世界にいかにアレンジしたりハッタリを見せつけるかというのが作者の技量だと思うんですけれど、なんかあの作品の場合、そういう感じでもないんですよね……
下手に本物っぽく書こうとして嘘の部分がなくて、単に誤用の塊になってるだけで、面白みが無いと言うか、知識のある人から見ると「リーチ一発、ポン、カン、大三元、国士無双!」とか言われたら失笑する感じとでもいうか……
最初は監修なしで好き勝手にやってるのならそれはそれでアリかとも思ってたんですが、原作付きであれと知って驚きました。生暖かい目で先行きを見守っていきたいと思います。遊戯王みたいに「俺のネット世界ではこうなんだよ!」的な感じになってくれれば、意外と化けるかもしれないですけど……
えーと、何の話でしたっけ。そう、シュ(略)。今作でなゲームセンターの複数のゲームの舞台ではなく、広大なネット世界に飛び出し、前作以上にいろいろなバリエーションのあるシーンがあるんです。4DXだとかなり楽しめるだろうなぁという動きのあるシーンも多く、子供たちが直感的に楽しめますし、大人はちょっと毒のあるジョークやネットリテラシーを扱った風刺などを楽しめる、というあたりがうまくできてましたね。
以下には劇中の内容を具体的に交えて、ネタバレありでの感想を書いていきます。

人によっていろいろ感想が出そうなアクの強い部分もあるんですけれど、ちゃんと前作の続編になっていて、それでいて小さくお行儀よくまとまってるのではなく、力強い挑戦を含んだ意欲作だと思います。単純に面白いだけでなく、考えさせられる部分もある懐の深さも含め、自分的には今年最後のしめくくりとして申し分ない映画でした。

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