バイオハザード7

DLCは買ったもののまだ手を付けてなくて、グロテスク版じゃない通常版の本編を、PSVRのみでノーマル難易度でクリアした感想になります。今から買うならゴールドエディションの方がDLC込みで安いからオススメですかね。
まさか一日一時間という高橋名人の教えを守ることになるとは（ゲームが怖すぎて）。

最初に触ったのはVRではない体験版だったんですが、それでもかなりの怖さでした。バイオ4〜6のドンパチ路線から、恐怖感をメインにした路線に戻ってくれて、初代から遊んでた自分としては嬉しかったですね。なんというか、歩いているだけで怖い。『零』の最初の部屋から心理的に出られなくなったことを思い出します。
普通に背景とかも怖かったんですが、個人的に一番すごいと思ったのは、効果音もなくただ人が歩いて行くだけの場面ですね。敢えておどろおどろしい効果音をいれなかったのは英断だと思います。却って不気味さが増してました。
できれば事前情報なしに、PSVRで遊んでほしいですね。もう怖さが段違いになります。モニターの前は所詮いざとなれば安全なところに居るという安心感があったのだな、と思い知らされました。どこにも逃げ場がない感じがすごすぎ。
ストーリーは割とあっさりしてて、ラストオブアスみたいな映画的展開は少なめなのですが、そこは敢えて抑え気味にして、とにかく恐怖感をすべてに優先させたのかと感じました。素うどんみたいな面白さ、という評価を見かけてしっくりきましたね。とはいえストーリーに魅力がないわけではなく、『家族』という言葉の意味を考えたくなるような登場人物達はインパクトありました（でもファミパンおじさん以外にもう少し良い略称はなかったんですかね……）
これだけの傑作ですが、欠点は少しあります。敵の種類が少ないので、戦略を練るのが好きな方には物足りなさがあるかもしれません（が個人的には怖くて気になる余裕がなかったです）。
あとデモをキャンセルできません。デモは少なめなんですが、二周目以降を遊ぶときなどは気になりそうですね。あと最初のロードが30秒以上あってかなり長くて、死なない限りはオープンワールドっぽくロード無しなのですけれど、死んだらまた30秒のロードなんですよ。まぁサイコブレイクに比べたら理不尽な一発死とかは無いし、死んでも自己責任かなと思える作りですし、他の出来がとてもいいので、個人的には評価を下げるほどの欠点とは思ってないです。
あー、でも、一箇所だけ移動すべき所がわかりづらいのは気になったかな。最終的に敵がいないところを何度も往復して探索するハメになって、恐怖感がなくなったあまり敵が出てきてほしいと思ってしまいました。謎解きもアクセントで必要なのかもしれないですけれど、見た目で気づきにくいとかいうのは恐怖感薄れるかもしれないので、調整が難しい気がしました。これまた大した欠点でもないですけれど、マイナーな意見ということで。
あと個人的な意見としては、ラストは敵に対する悲しみとか余韻は無く、とりあえず殺しちゃうんだ、ってのが日本製ゲームなのにハリウッド映画的だなーと。バイオシリーズだからラスボスとの肉体労働的な対決は必要なんでしょうけれど、今回の敵はもう少しそういうのがあってもよかったかなー、と。でもDLCまだ遊んでないので、そこら辺でカバーされてるかもしれないですけれど。
DLCといえば、ちゃんと別途作ってるのがいいですね。最初からディスク内にあるのにDLC別売り商法ってのが個人的には大嫌いなんですよ。未完成品を売りつけられたような気分になりませんか（モナリザの一部が切り取られたまま売られてて、全部見たければお金を別途払ってくださいと言われてもねぇ……）。こういう風に、本編が気に入ったら遊んでみてね、という方向性は好感が持てます。
なおPSVRだと設定によっては酔いを感じるかもしれないので、その場合は設定を見直したり、酔い止めを飲むのが効果的でした。VRの酔いは脳の認識にあるようで、薬を飲んで大丈夫と脳が認識して慣れてくれたら酔わなくなるという仕組みのようです。ここまでの恐怖感を味わえる経験はないので、酔い止めとPSVRで挑んでみてはいかがでしょうか。
しかし初めてPSVRで遊んだ時は、ほんとヤバかったです。今までの人生で感じたことがないほどの心的状態になり、なんだか下半身が落ち着かない感じなんですよ。息子と一緒にドラッグストアに行って、なんとなく大人用オムツの値段を見て「10時間でクリアするならいくらかかるかな……」と試算してたら、息子に「ぼく、もうオムツいらないから！」と怒られたのはいい思い出……なのかな？
ホラーファンなら絶対遊ぶべき傑作ですけれど、できればPSVRで遊んでみてください（オムツが必要かは個人の判断におまかせします）。