青木ハヤト氏の新作ということで気になってたんですが、表紙を見た瞬間に「こ、これは多分……いつものアレでは……?」とAmazonでポチってしまいました。
だってこの表紙(の左下のセリフ)を見てしまったら、青木ハヤト氏が本作の前に連載していた『トラウマ量子結晶』みたいなのを期待してしまうじゃないですか。
この本を手にとってくれた皆様が「イタタ……」と思っていただけるような漫画を描いて行きたいと思います(カバー横の作者の一言より)
作者自らこう言われている通り、かなりイタタな作品です。真面目にアクションものとして話が進むこともあるんですが、半分ははイタタ成分でできており、やさしさでは出来ておりません。登場人物が全員ダメ人間で、全体的にかなりしょーもない有り様でして、イタイはイタイのですが、笑い飛ばせるイタさだったりするので、個人的にはかなり好きですね。なんだかんだで最後はキレイ?にまとめてたのも嬉しかったです。
そういうわけで『高機動無職ニーテンベルグ』もそういうノリを期待して即買いしてみたんですが、想像以上に奇妙な雰囲気でした。おそらく作者の方はロボットものがかなり好きと思われ、戦闘シーンなどはかなりしっかり描写されてるんですが、言ってることがみんなおかしいのです。
大体こんなノリなんですが、『トラウマ量子結晶』と違うのは本人たちはいたって大真面目にこれらのセリフを言ってるんですよ。照れとかが微塵もなく、コメディタッチはほとんどないし、かっこいいセリフもあったりするのに、なんか笑わされてしまうという。テキストサイトで例えると、文章の末尾に(笑)とか(爆)とかいっさい付けず、淡々と変なことを書いてるような雰囲気とでもいうか。なにこの異空間。
そういやKindle版だと、カバー横の作者の一言が載ってないんですよ。だからご本人がどんな気持ちで書いてるのか分からないまま読むことになっているので、だからこそ更にギャップで笑わされてしまってるのかもしれません。まぁ正気で書いてるとは思ってませんが。
どこまで連載が続くのか正直未知数なんですが、作者の方が描ききりたいところまで続いてくれるといいなぁと思いつつも、途中で打ち切りになったらどんな事してくれるんだろうか、というファンとして不謹慎なことも考えてしまうという、ホントに奇妙な作品だと思います。
コメント